1989 Fiscal Year Annual Research Report
アルミニウム耐性植物の新しい作出技法に関する基礎的研究
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63480050
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
我妻 忠雄 山形大学, 農学部, 教授 (70007079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上木 勝司 山形大学, 農学部, 助教授 (10111337)
今西 茂 山形大学, 農学部, 教授 (40007084)
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Keywords | Al過剰障害 / 耐Al性 / メチレン・ブル-染色度 / 根細胞プロトプラスト / 原形質膜 / ゼ-タ電位 / Al耐性プロトプラストの分離 / プロトプラストの培養 |
Research Abstract |
前年度のAl過剰障害や耐Al性の機構に関する検討の結果、Alイオンの根への取込みは代謝的に原形質膜から排除されており、耐Al性の強い値物は値のAl排除能が強いことが明らかとなった。そこで本年度は根細胞の原形質膜の諸性質と耐Al性の関係をより詳細に検討した。その概略を以下に記載する。 1.根切片細胞・プロトプラスト原形質膜の表面荷電特性と耐Al性の関係 (1)根細胞原形質膜は幼植物(イネ、エンバク、トウモロコシ、エンドウ、オオムギ)、根端附近、外側皮層部でメチレン・ブル-染色度が強く、画像解析によって、Al耐性種ほど染色度の小さいことが判明した。(2)BiogloTM・螢光法によって細胞壁残渣をほぼ完全に除去した根プロトプラストも同様にAl耐性種で染色度が小さく、ゼ-タ電位も高かった。(3)各種塩基性色素やAlイオンによりプロトプラストは凝集し、Alイオンにより膜が破壊された。(4)同一根から得たプロトプラスト群は広範囲の耐Al性のもので構成されており、Al耐性種ではAl耐性プロトプラスト構成比が高かった。 2.Al耐性プロトプラストの分離・培養法の検討 (1)上述のプロトプラスト表面荷電特性を利用したAl耐性プロトプラストの分離法の開発が期待される。(2)トマトのプロトプラストの培養条件が明らかになった。
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[Publications] Tadao Wagatsuma: "Low surface negativity of root protoplasts from aluminum-tolerant plant species" Soil Science and Plant Nutrition. 35. 443-452 (1989)
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[Publications] Tadao Wagatsuma: "Identification of aluminum-tolerant protoplasts in the original root protoplast population from several plant species differing in aluminum tolerance" Plant and Soil. (1990)
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[Publications] 今西茂: "最新 植物工学要覧(分担)第I部 育種工学 第1節 体細胞雑種の選抜法" R&Dプランニング(山口・高山編), 10 (1989)