1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63480059
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
勝屋 敬三 筑波大学, 農林学系, 教授 (40015863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 吉雄 筑波大学, 農林学系, 助手 (30015672)
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Keywords | カラマツ / 根株心腐病 / 捕捉 / 土壌水分 / 地形 / 接種試験 / 病原菌の樹幹内生育 |
Research Abstract |
1.カラマツ造林地内に0.9haの試験区を設定し、正確な測量を実施し地形図を作製した。ここに一定間隔にカラマツ抗を413本打ち込み、一定期間後それを引き抜き、カラマツ根株心腐病菌のうち未同定菌Basidiomycete-1を捕捉した。これを分離同定し同菌であることを確認した。この捕捉試験により試験区内での同菌の林床での分布状態が判明した。即ち同菌は試験区全面に分布しているのではなく、県団状に分布しているが、数ケ所では散発的な分布も認められた。これと平行して試験区内44ケ所の土壌水分を1988年6月〜11月にかけて4回計測した。土壌水分と同菌の分布との関連は土壌水分の高い場所に同菌が分布している傾向が認められた。また同菌の分布と地形との関連は極めて複雑で湿地(低地)でその分布が低いこともあり、より詳細な調査が必要である。 2.5年前にカラマツ生立木に根株心腐病菌3種(カイメンタケ、ハナビラタケ、レンゲタケ)の接種を行ない、これら生立木を供試して接種部位を中心として心材及び辺材から細菌、菌数及び病原菌の分離を行った。結果はカイメンタケでは供試木14本中6本(43%)、ハナビラタケは18本中5本(28%)、レンゲタケは20本中0本から接種した病原菌が分離された。接種が成功した樹幹での病原菌の伸展は平均1.5cmにとどまり、5年経過しても病原菌の生育は遅く、一部供試木では接種部位のみから分離された場合も認められた。病原菌以外の菌類及び細菌が多く分離され、これら微生物と病原菌との樹幹内の関係は今後の課題の一つである。 3.約75年カラマツの伐倒にともない樹幹内の腐朽状態及び腐朽菌の分離を行なった。これらのデータを整理し根株の腐朽直径と樹幹上部への腐朽の伸展には正の相関があることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)