1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63480072
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Research Institution | 東京水産大学 |
Principal Investigator |
渡辺 武 東京水産大学, 水産学部, 教授 (60017051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 俊郎 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (70092591)
村井 武四 東京水産大学, 水産学部, 教授
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Keywords | 飼料 / タンパク質 / コイ / ニジマス / テラピア / アユ / 可消化タンパク / 原料 |
Research Abstract |
申請者らは先に、国内外で使用されている5種類の採糞装置を用い、その精度と魚種別の適正な採糞方法について比較検討し、改良型採糞装置を開発した。そこで、この装置を用いて、タンパク質等の消化・吸収率(消化率)を測定した。まず、ニジマスおよびコイを用いて、最終給餌後の採糞時間によって消化率がどのように変動するか、すなわち糞中からの栄養成分の溶出状況を調べた。その結果、排せつ後糞を水中に滞留させておくと、ニジマス、コイともタンパク質、脂質、エネルギー物質などの溶出が起り、見掛の消化率が高くなるが、以後はほぼ一定の値に達っした。その結果、可消化タンパク質(DCP)を従来の方法により18時間目に採取した糞について測定する場合は、得られた値にニジマスでは0.93、コイでは0.82の係数を乗ずれば、比較的排せつ直後の値に近い値の得られることがわかった。次に、間接測定法でニジマス、コイ、テラピアおよびアユについて、現在良く使用されている北洋魚粉、沿岸魚粉、ミートミール、サナギミール、大豆粕、コンーグルテンミール、脱脂小麦胚芽ミール、脱脂米ぬか、小麦粉などの9種類の動・植物性原料のDCPを測定した。ニジマスは10g以下、10-100g、100g以上の3段階の魚体に分け、5、10、15℃の水温で、コイ及びテラピアは10g、10-100g、100g以上の3段階で、水温15、20、25℃で、アユは10g以下では15、20℃、20g及び40g前後の魚では20、25℃の魚のサイズと各水温を組合せた。その結果、いずれの魚類においても各飼料原料のDCPは、魚のサイズよりも水温に影響された。一方、4魚種におけるDCPはニジマスとアユ、コイとテラピアでそれぞれほぼ同じパターンが見られた。すなわち、雑食性のコイとテラピアでは、肉食性のニジマスに比較し、植物性原料の消化吸収率が優れていた。さらに、各魚種のDCPは豚、牛の場合とほぼ同じ値を示していた。
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