1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63480074
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
日下 達朗 山口大学, 農学部, 教授 (50038238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 誠而 山口大学, 農学部, 助教授 (80038299)
丸本 卓哉 山口大学, 農学部, 助教授 (00035122)
鈴木 義則 山口大学, 農学部, 教授 (70081495)
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Keywords | イチゴ / バイオマス / 糖度 / 根圏環境 / べたかけ / 気象改善 / 地中温度 / マルチ |
Research Abstract |
ピ-マン(カナダBC州産)を供試作物とし,全期マルチ,前期マルチ,後期マルチ,全期マルチ+トンネル処理実験の結果,後期マルチを標準区とした収穫促進度合は前期マルチで2〜3倍,全期マルチで3〜7倍に上がるものとなった。さらにビニルトンネン+全マルチ栽培とした場合には実に10〜13倍に達した。晩春の気候条件下では露地栽培が不可能であるのに,マルチによって栽培が可能になること,地中環境改善には移植直後からのマルチが効果的で,しかも栽培全期間を通す方がよいこと,マルチにおける水・肥料管理システムとしてはファ-ティゲイション(肥料混入灌水)が成長にプラスであることがわかった。 地温の制御を行い,生長と品質に及ぼす影響を土壌水分最適条件下で検討した。植物体の全乾物量は地温が18℃から27℃の範囲内では最適値を24℃とした。また地温が上述の範囲にあるときは地温に比例して糖度(ブリックス値)が上昇し,宝交早生だと0.43度1℃であることが明らかになった。 イチゴ果実収穫前2週間の土壌水分条件を変化させたときのイチゴの収量への影響について調査した。収穫前2週間の水分設定は,湿潤(40〜43%),標準(37〜38%),乾燥(30〜35%),の範囲に維持され,地温はマルチ区が対照区(無マルチ)より1〜2℃,電熱加温区は5〜8℃高く設定されていた。その結果,イチゴ収穫直前2週間の土壌水分をPF1.2〜1.4(40〜43%)に調節したあと,水分を圃場容水量に,地温を20℃前後に維持すれば,大粒で,糖度は比較的一定,週間の収量もほぼ一定した作業効率の良いイチゴの栽培が可能となった。 根圏域環境改善のためのべたかけの実験とシミュレ-ションから,晴天日,べたかけ内の気温は日中は4〜8℃高く,夜間も3〜4℃高くなった。観測とシミュレ-ションの結果は比較的良く一致した。
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[Publications] 日下 達朗,長 裕幸,J.W.Kexg,鈴木 義則,丸本 卓哉,早川 誠而,大西 孝: "畑作物根圏環境の物理的制御についてー根圏土壌水分および地温の動態とイチゴの生育との関係ー" 農業土木学会論文集.
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[Publications] 鈴木 義則,早川 誠而,日下 達朗,丸本 卓哉: "カナダ・アメリカにおける農業環境研究" 農業気象. (1991)
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[Publications] 早川 誠而,鈴木 義則,日下 達朗,古野 亨: "べたかけ資材の物性が根圏温度環境に与える影響" 中国・四国の農業気象. 2. 12-16 (1989)
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[Publications] 早川 誠而,鈴木 義則,佐々木 弘泰: "べたかけ資材の物性が根圏温度環境に与える影響" 日本農業気象学会全国大会講演要旨集. 318-319 (1990)