1989 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子導入によるトランスジェニック家畜の応用に関する基礎的研究
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63480078
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
東條 英昭 富山医科薬科大学, 動物実験センター, 助教授 (20041668)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 政美 富山医科薬科大学, 動物実験センター, 教務職員 (50186441)
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Keywords | トランスジェニックマウス / マウス酸性蛋白遺伝子 / ヒト成長ホルモン遺伝子 |
Research Abstract |
昭和63年度において、Dr.Catherine(スイス)から入手したmouse whey acidic protein(WAP)遺伝子のプロモ-タ-領域(2.6kb,EcoRI/KpnI)とDr.Palmiter(アメリカ)から入手したマウスメタロチオネイン/ヒト成長ホルモン融合(MThGH)遺伝子のヒト成長ホルモン遺伝子(2.1kb,BamHI/BamHI)とを連結したmWAP/hGH遺伝子をマウスに導入し、4匹のトランスジェニック(Tg)マウス(♂2,♀2)を得た。平成元年度においては、この4匹のTgマウスについて、導入遺伝子の挿入状況ならびに子孫を得る実験を行なった。尾部の一部から抽出したDNAを元に、サザン法によって解析したところ、4匹中で2匹(♂1,♀1)では、WAP/hGH遺伝子の一部が欠落した状態で挿入されていた。しかし、他の2匹においては、導入遺伝子がintactに複数コピ-挿入されていることが判明した。この2匹(NO.3-7〔♂〕,NO.8-2〔♀〕)の子孫を得るために、それぞれICR系マウスと交配した。その結果、NO.3-7からは、計21匹(♂12,♀9)、NO.8-2からは、計11匹(♂5,♀6)が得られた。これらの子孫について、導入遺伝子が伝達されている個体をドットブロット法によって解析した。その結果、NO.3-7の子孫で8匹(♂3,♀5)、No8-2の子孫で4匹(♂3,♀1)のTg個体が得られた。そのうち雌Tgが10週令時に達した時点で、雄TgまたはBDF_1の雄と交配させ妊娠・分娩させた。ついで、分娩12日目から1日おきに3回、手製のマウス用搾乳器で乳汁を採取し-70℃で保存した。分娩20日目に雌Tgマウスを殺処分し、直ちに、乳腺組織を摘出し液体窒素で凍結後-70℃に保存した。現在、乳汁中のヒト成長ホルモンの検出をELISA法により、一方、乳腺組織中のヒト成長ホルモン遺伝子からのmRNAの検出については、ノ-ザン法によって解析する準備を行なっている。
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[Publications] 東條英昭: "これからの実験動物と動物実験" アニテックス. 2(2). 4-10 (1990)
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[Publications] 東條英昭: "ヒトグロビン遺伝子のトランスジェニックマウスでの発現" 動物血液型蛋白多型研究会誌. 18. (1990)
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[Publications] 東條英昭,久保政美: "Y染色体上に外来性遺伝子を持つトランスジェニックマウスの精子を用いたPercoll密度勾配遠心法によるX・Y精子分離の評価" 実験動物. 39(2). (1990)
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[Publications] 東條英昭: "バイオテクノロジ-利用による新しいモデル動物の開発" 岡山実験動物研究会報. 7. (1990)
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[Publications] 鈴木達行: "最新バイオテクノロジ-全書「家畜の繁殖と育種」" 農業図書, 250 (1990)
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[Publications] 鈴木善祐: "繁殖学辞典" 文永堂, 600 (1990)