1988 Fiscal Year Annual Research Report
放牧・牧飼牛のエネルギー収支ー増体ME摂取量および熱産生量の測定による決定
Project/Area Number |
63480081
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山本 禎紀 広島大学, 生物生産学部, 教授 (20034449)
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Keywords | エネルギー収支 / 熱産生量 / 心拍数 / ME摂取量 / ホルスタイン種育成牛 / 日増体量 / 放牧 / 舎飼い |
Research Abstract |
実験は、ホルスタイン育成雌牛を用い、100ー150,200ー250および300ー350kg時の3ステージで、飼料摂取量に段階を設定し、心拍数、熱産生量および体重を測定することによりほぼ予定通り実施した。心拍数と熱産生量の関係は、各ステージで確実におさえることができた。問題点は、体重100kg時で多量のME(1000kJ/kg^<0.75>day以上)摂取により、心拍数の増加率が異常に高まり他のステージと異なる反応を示したことであった。この他、成長に伴い心拍数が減少し回帰係数が増大することを認めたが、各ステージで較正を行うことにより、熱産生量は平均心拍数から確実に推定できることを提示した。 終日放牧試験は、放牧地の確保ができず今年度は行えなかった。エネルギー収支は、1日2〜3時間の運動放牧を含む群放飼区とスタンチョンでの繋ぎ飼育区で比較検討した。摂取ME量と熱産生量の釣り合う点は、運動放牧群放飼区では摂取ME700kJ(/kg^<0.75>day)、舎飼区では500kJであり大きく異なった。両者の熱産生量の差は摂取ME500〜1000kJレベルで70〜120kJ/kg^<0.75>dayであり、この値は、運動放牧群放飼により余分に要するエネルギー量であることを示すことができた。また、このような解析方法によって、ME摂取レベルと生産効率との関係を明瞭に示すことができ、今後広く活用できる研究方法として役立つものと思われた。 本研究では、エネルギー収支を熱産生量と日増体量あるいはME摂取量を確実に測定することにより解析できるものと仮定して始めた。ME摂取量については先に示したように成功したが、日増体量は明確に測定できず、今年度は放棄せざるをえなかった。牧放時などでは、飼料摂取量は極めて定めにくいので、この問題をどのように解決するかが、のこされた課題となった。
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Research Products
(1 results)