1989 Fiscal Year Annual Research Report
放牧・放飼牛のエネルギ-収支ー増体,ME摂取量および熱産生量の測定による決定ー
Project/Area Number |
63480081
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山本 禎紀 広島大学, 生物生産学部, 教授 (20034449)
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Keywords | エネルギ-収支 / 熱産生量 / 心拍数 / 日増体量 / ME摂取量 / 牛 / 育成雌牛 |
Research Abstract |
熱産生量の推定法については、今年度は、これまでの研究に用いてきた短時間の断続測定に変えて、終日ないし長時間の連続測定を行なうとともに、両者の関係に及ぼす、立つ、座る、反芻などの行動の影響について検討した。結果は、較正はいずれの方法によってもよいことが確かめられ、また、両者の関係に行動が影響を及ぼすが、この対応策として心拍数を行動別に集計するのではなく、むしろ様々な行動を含む平均心拍数を用いることが適切であることを指摘した。以上を含め、いずれの成果からも心拍数を用い熱産生量をほぼ正確に推定できることを証明することができた。 エネルギ-収支の表示と解析については、ホルスタイン種育成雌牛を体重別に供試し、心拍数による熱産生量(HP)の推定に加え、摂取エネルギ-と蓄積エネルギ-を明らかにして行なった。摂取エネルギ-は、飼料摂取量からME摂取量(MEI)又はTDN摂取量として計算し、蓄積エネルギ-量(NEg)は、測定した平均日増体量から求めた。算出した(HP+NEg)/MEIは、87.3〜108.4%の推定範囲にあり、ほぼ満足すべき成果であった。 今後の研究課題として、心拍数は個体別に得られているので、熱産生量を個体別に振り分け、一群としての処理に溜まることなく、個体ごとの解析ができるようにすること、また、様々な飼育方式のある豚に、この解析方法を適用することなどが考えられた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] YAMAMOTO,S.: "Estimation of heat production from heart rate measurement of free living farm animals" JARQ.23. 134-143 (1989)
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[Publications] 松本高明,安保佳洋,山本禎紀: "ホルスタイン種育成雌牛の飼料摂取量、増体量、心拍数および熱産生量の相互関係について" 日本畜産学会報. 61. 230-236 (1990)
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[Publications] 山本禎紀,松本高明,安保佳洋: "ホルスタイン種育成雌牛の心拍数と熱産生量の関係について" 日本畜産学会報. 61. 237-240 (1990)
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[Publications] YAMAMOTO,S.: "Role of heat production measurement in farm animal management" Proceedings of the first International Symposium on Agricultural Technique for Cold Regions.Obihiro University. 41-47 (1989)
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[Publications] 浜崎浩平,松本高明,山本禎紀: "ホルスタイン種育成雌牛における心拍数と熱産生量の関係に及ぼす測定条件の検討ー長時間連続測定結果に対する行動ないし姿勢と摂取レベルの影響について" 日本家畜管理研究会誌. 26. 28-29 (1990)