1989 Fiscal Year Annual Research Report
家畜における胎子ー胎盤系の機能的形態学・特に動物種間の比較
Project/Area Number |
63480091
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
山内 昭二 大阪府立大学, 農学部, 教授 (80081503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 利也 大阪府立大学, 農学部, 助手 (00169111)
木曽 康郎 大阪府立大学, 農学部, 助手 (10142374)
佐々木 文彦 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (60064862)
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Keywords | 胎子ー胎盤系 / 胎子内分泌腺 / 胎盤形態学 / 胎盤内分泌活性 / 妊娠維持機構 |
Research Abstract |
1.前年度に報告したイヌの胎子胎盤血管系の成果をさらに発展させる目的で、イヌ胎盤の主要部分を構成する迷路部に注目して母体血管系と胎子血管系の血流の相互関係を明らかにした。妊娠犬を用い、放血後メルコックスを注入して胎盤血管系の鋳型標本を作り立体的な観察を行った。胎盤迷路部内での母体毛細血管の血流は胎子側から母体側への方向をもつこと、一方胎子毛細血管の血流は母体側から胎子側に向かうことが実証された。この対向流方式の確立以後、胎子ならびに胎子の器官発生は加速度的となり、胎盤との間に高度な機能的関連をもつことが明らかとなった。 2.加藤嘉太郎著家畜比較発生学(養賢堂、昭和44年初版)を改著するに当り、原著者の指示を受け胎盤の章を特に充実した。胎子の器官発生について、胎盤と協同的機能関係にある内分泌腺すなわち下垂体、副腎、生殖巣について考慮した。本研究の代表者山内がこれまで文部省科学研究費の補助のもとに進めてきた胎盤ならびに胎子の発達の研究成果の中から既報および未発表の資料を豊富に取り入れ、さらに最近の海外の論説も紹介して内容を充実した。 3.昭和63年度中に入手できた材料は例数として不十分であった。従って平成元年度も引き続き豚、羊、山羊の胎盤および胎子の入手に努め、ほぼ所要の例数を得ることができた。これら2年度にわたる各種家畜胎子の下垂体、、副腎および生殖巣について現在組織学的検索を遂行中である。下垂体については酵素抗体法により各種腺細胞の分化と機能発現の観点から、副腎については永久皮質の確立とステロイドホルモン分泌活性の発現経過を、また生殖巣については内分泌性細胞の組織的発現とその時期に注目して組織計測的、組織化学的および電顕的検索を現在進めている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 阪本信二: "イヌの精巣上体管の生後発達に関する形態学的観察" 第107回日本獣医学会. 9 (1989)
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[Publications] 山地明子: "持続発情雌マウスの下垂体前葉のPRL細胞" 第107回日本獣医学会. 12 (1989)
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[Publications] 山地明子: "持続発情雌マウスのPRL細胞とGH細胞" 家畜繁殖学雑誌. 35. 11 (1989)
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[Publications] 木曽康郎: "イヌ胎盤の血管系、特に迷路部の血管構築について" 第108回日本獣医学会. 13 (1989)
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[Publications] 大西俊充: "ヤギ胎盤の絨毛上皮に関する形態学的観察" (1990)
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[Publications] 加藤嘉太郎: "改著家畜比較発生学" 養賢堂, 301 (1989)