1990 Fiscal Year Annual Research Report
家畜における胎子ー胎盤系の機能的形態学,特に動物種間の比較
Project/Area Number |
63480091
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
山内 昭二 大阪府立大学, 農学部, 教授 (80081503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木曽 康郎 大阪府立大学, 農学部, 助手 (10142374)
佐々木 文彦 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (60064862)
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Keywords | 胎子ー胎盤系 / 胎子内分泌腺 / 胎盤形態学 / 胎盤内分泌活性 / 妊娠維持機構 |
Research Abstract |
1.豚胎子下垂体腺細胞の分化と発達。豚胎子下垂体を光学ならびに電子顕微鏡的に研究した。通常の染色組織標本の観察に加えて、ACTH,GH,LH,PRL抗体を用いて酵素抗体法的検索も行った。これにより,下垂体前葉の各種腺細胞の発生時期と分布様式を解明した。ACTH細胞は胎生初期の25ー40日齢の間,GH細胞とLH細胞は中期である40ー60日齢の間,PRL細胞は末期である80ー105日の間に出現した。ACTH細胞は胎生の全期間,前葉の全域に均等に分布した。GH細胞は中期から末期まで,前葉の正中部では尾部に,外側部では全域に分布するという局在性を示した。LH細胞は胎生60日齢の前葉の正中部では吻部に局在し,末期の80ー105日の期間は前葉の全域に分布した。PRL細胞は胎生末期の105日齢で,前葉正中部の背側部と腹側部にのみ局在した。 2.豚副腎皮質の分化と発達。豚胎子副腎について組織計測的ならびにステロイド脱水素酵素(HSD)検出により,永久皮質の層分化と機能活性,ならびに胎生皮質の推移と意義を明らかにした。45日齢までの胎子副腎皮質はほぼ胎生皮質細胞のみで構成される。60日齢までの間に胎生皮質細胞には退縮の微候が現われ,これ以後胎生皮質は進行性に縮小する。永久皮質細胞は胎齢40日,被膜直下の小細胞の小集塊として出発する。45日齢以後細胞集塊は急速に発達し、中期以後は球状帯および束状帯に分化する。この後,束状帯は特に激しく発達し、断面における相対的な割合も増大する。胎生皮質と永久皮質はともにΔ^5ー3βーHSD活性を示すことから,胎子ー胎盤系に有意義なプロジェストロンおよびアンドロステロンの合成能をもつことが示唆された。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 伊藤 純治,木曽 康郎,山内 昭二: "Distribution and chronological changes of hydroxysteroid dehydrogenase(HSD) in the cat placenta." 日本獣医学雑誌. 49. 225-233 (1987)
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[Publications] 山内 昭二,木曽 康郎,呉 良凱: "妊娠期の豚における鉄の伝達に関する形態学的研究" 伊藤記念財団報告書. 5. 32-38 (1987)
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[Publications] 木曽 康郎,山下 昭雄,佐々木 文彦,山内 昭二: "Maternal blood vascular architecture of the dog placenta during the second half of pregnancy." 家畜繁殖学雑誌. 36. 120-126 (1990)
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[Publications] 木曽 康郎,安福 潔,松田 浩珍,山内 昭二: "Existence of an endothelioーendothelial placenta in the insectivore,<Suncus>___ー <murinus>___ー." Cell Tissue Research. 262. 195-197 (1990)
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[Publications] 島田 ゆり,木曽 康郎,佐々木 文彦,山内 昭二: "ネコ胎子副腎の胎生皮質と永久皮質の形態変化について" 第106回日本獣医学会. 要旨集. 22 (1988)
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[Publications] 市川 祐史,佐々木 文彦,木曽 康郎,山内 昭二: "豚下垂体前葉細胞の胎生発育" 家畜繁殖学雑誌. 36. a24 (1990)
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[Publications] 山内 昭二: "胎盤における物質伝達の形態学ー特に微細構造からみた伝達の機構 獣医学1987(伊沢・清水編)" 近代出版, 1-39 (1987)
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[Publications] 加藤 嘉太郎・山内 昭二: "改著家畜比較発生学" 養腎堂, 301 (1989)