1988 Fiscal Year Annual Research Report
オルニチン脱炭酸酵素アンチザイム-本態、役割、調節、ならびに比較生化学
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63480131
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
林 伸一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (50028297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
T.G Baby 東京慈恵会医科大学, 医学部, 外国人招へい研究者
松藤 千弥 東京慈恵会医科大学, 医学部, 特別研究員 (50192753)
村上 安子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (30056709)
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Keywords | オルニチン脱炭酸酵素 / アンチザイム / アンチザイムインヒビター / 酵素分解 / cDNA / ラット / カエル |
Research Abstract |
アンチザイムはオルニチン脱炭酸酵素(ODC)のユニークな阻害蛋白質であり、さらにODCの迅速な分解の引き金になる可能性が注目されている。本年度は微量試料処理に好適な卓上型超遠機導入の効果もあり、以下の成果をあげることができた。 1.アンチザイムの本態-cDNA(5'-側一部欠損)の解析によりラット肝アンチザイムの一次構造の大部分が判明し、ラットとマウスの肝、腎、脳に共通の構造を有するアンチザイムが分布することを確かめた(松藤)。 2.アンチザイムの誘導機序-ELISAならびにcDNAプローブを用いた解析により、ポリアミンによるラット肝アンチザイムの誘導にさいしてはmRNA量の増加は軽微であって、翻訳過程の促進が主役を演ずることを確かめた(松藤)。 3.アンチザイムの役割-ポリアミン合成阻害剤(ODC阻害剤,スペルミジン合成酵素阻害剤)はODCを安定させるとともにアンチザイム/ODC比を低下させることを確かめ、ODC分解におけるアンチザイムの関与を支持した(村上)。 4.アンチザイム変異細胞-ODC過剰産生CHO細胞よりアンチザイム過剰産生細胞を得た。これを用いてアンチザイムの役割を検証する予定である(村上)。 5.アンチザイムインヒビター-組織分布とラット肝での動態解析により、この蛋白質がアンチザイムを捕捉してODC安定化に寄与する可能性を示した(村上)。現在、クローニングを試みている。 6.カエルでの検索-比較生化学の見地から、カエル肝細胞の初代培養系を確立し、cDNAプローブをも用いてアンチザイムの存在と役割を検討中である(Baby、林)。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y.Murakami: Biochem.J.254. 367-372 (1988)
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[Publications] Y.Murakami: Eur.J.Biochem.(1989)
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[Publications] Y.Murakami: Bicchem.J.260. (1989)
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[Publications] S.Matsufuji: Eur.J.Biochem.
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[Publications] S.Hayashi: "Multiple mechanisms for the regulation of mammalian ornithine decarboxylase.Ornithine Decarboxylase:Biology,Enzymology,and Molecular Genetics." Pergamon press, 35-45 (1989)
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[Publications] S.Hayashi: "Ornithine decarboxylase antizymes.Ornithine Decarboxylase:Biology,Enzymology,and Molecular Genetics." Pergamon press, 47-58 (1989)