1988 Fiscal Year Annual Research Report
持続的リンパ増殖性病変の免疫組織化学及び分子生物学的解析
Project/Area Number |
63480140
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
須知 泰山 愛知県がんセンター研究所, 研究員 (30163033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 龍三 愛知県がんセンター, 研究所・化学療法部, 部長 (20142169)
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Keywords | 血管免疫芽球性リンパ節症 / AILD / 遺伝子再構成 / Pseudolymphoma / RLH |
Research Abstract |
1.リンパ増殖病変として一括される病変のうち、主として血管免疫芽球性リンパ節症AILD型病変について次の如き検索を行い、それぞれ下記の結果を得た。(1)本型病変の"真の"増殖細胞を同定するための増殖細胞の核に反応するKi-67抗体と各種リンパ球マーカーとの二重染色を行い増殖核を持つ細胞の細胞性格を調べ、16例中8例がヘルパー型T細胞(Th/i)の増殖病変、残りの大部分はヘルパー・サプレッサー(Ts/c)混成病変であった。しかし混成病変も経過と共に単一細胞型に進展する所見を得た。(2)本型病変の増殖の性格を検するため、免疫グロブリンIg及びT細胞のレセプターTCR遺伝子の再構成検出法により病変中のクローナル増殖の有無を検索した。その結果28例中18例にTCR_βの再構成を認め病変中にクローナルに増殖するT細胞集団の存在を示した。又、本型病変群を組織学的異型度の高低によって3群にわけると、TCR_βの再構成を示す症例の比率が異型度の進展と共に高くなることが示された。これらの所見よりALLD型の病変は当初推察されていたような"異常免疫反応"ではなく、少なくとも多くの症例でその中に腫瘍性に増殖する細胞集団を含んだ傾斜がみられ、この病変の特殊性を示した。 2.胃のPseudolymphomaについて。胃に発生するPseudolymphoma(いわゆるRLH)の病変の細胞表面並びに胞体内免疫グロブリン、その他の組織化学的染色を行い、濾胞内細胞、濾胞外細胞、粘膜固有層表層の形質細胞にわけて観察し、(1)すべてが多クローン性の病変2例、(2)濾胞外細胞と表層形質細胞が単クローン性で形質細胞が多クローン性の病変3例があった。即ちRLHの多くは腫瘍性に増殖するcomponentを含む病変である。
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[Publications] 小島勝: 病理と臨床. 5(9). 1019-1024 (1987)
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[Publications] 小島勝: 病理と臨床. 6(7). 819-825 (1988)
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[Publications] Nakamura,S: Virchows Archiv A:Pathological Anatomy and Histopathology. 414. 121-128 (1989)