1989 Fiscal Year Annual Research Report
造血幹細胞増殖分化における幹細胞-骨髄間質細胞間細胞膜接着分子の精製と機能解析
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63480141
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
張ヶ谷 健一 千葉大学, 医学部, 助教授 (40101894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
半田 宏 東京大学, 医学部, 助教授 (80107432)
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Keywords | ヒト骨髄間質細胞株 / 細胞膜接着分子 / モノクロナ-ル抗体 |
Research Abstract |
ヒト骨髄間質細胞株(KM-101,102)、および骨髄系血液細胞株(CMK7,HL-60,K562,KOPM,HEL,U937)を免疫源としてBalb/cマウスに繰り返し免疫することによりモノクロナ-ル細胞膜抗体を産生するハイブリド-マを多数採取してきた。この内の2クロ-ンはin vitroの間質細胞株-血液細胞株の接着をきわめて強く増強した。ヒト間質細胞株の膜成分を可溶化後、この抗体を用いてWestern Blottingを行ったところ、一つの抗体(c-f-9)は、膜蛋白非還元の状態で分子量約20万の分子を認識していた。しかしながら、膜蛋白をメルカプトエタノ-ルで還元した試料では明確なバンドは得られなかった。c-f-9ハイブリド-マはlgG_1サブクラスの免疫グロブリンを産生し、このハイブリド-マをマウスの腹水系にして、大量の抗体を得てからこの抗体分子を精製を計った。精製抗体をパパインにて処理し、Fabフラグメントを調整してから、in vitroのヒト骨髄間質細胞株-血液細胞株(CMK,KOPM,K562,U937,HL60,T細胞株,B細胞株,マウス血液細胞株)間の接着に対する影響を検討した。骨髄間質細胞は骨髄系血液細胞株(CMK,KOPM,K562,U937,HL60)とよく接着し抗体Fabフラグメントによりこの接着は一部著明に、あるいは一部弱く阻止され、この抑制はFab濃度依存性であった。また、ヒト二倍体線維芽細胞(W138)-血液細胞株間接着は種々の程度にみられ、この接着には調製抗体Fabフラグメントは影響を与えなかった。更に、この精製抗体をSepharose 4B CLの担体にカップリングし、抗体カラムを作製し、抗原の精製を試みた。精製抗原を還元、非還元の状態でSDS-PAGEにて電気泳動を行ったところ非還元の蛋白は分子量約20万の単一のバンドとして認識され、還元状態の蛋白は分子量約11万と9万5千の2本のバンドとして認識された。以上の結果はこの分子がheterodimerからなり、heterophilicな細胞間の接着に関与する分子であることを示唆する。
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[Publications] H.Ohkawa et al.: "Novel function and cellular interaction of human lymphoid stromal cells with lymphoid cell lines in vitro." Experimental Hematology. 17. 30-33 (1989)
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[Publications] 張ヶ谷健一他: "造血支持細胞の機能的・形態的多様性" 細胞. 22. 84-88 (1990)
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[Publications] T.Hayakawa et al.: "Tissue inhibitor of metalloproteinases from human bone stromal cell line KM 102 has erythroid potentiaing activity-possible bifunctional role in hemopoietic.." Nature.