1988 Fiscal Year Annual Research Report
下細胞の自己認識機構と抗原レセプター:T3複合体遺伝子、及び分子構造の比較研究
Project/Area Number |
63480163
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小野江 和則 北海道大学, 免疫化学研究所, 教授 (40002117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩渕 和也 北海道大学, 免疫化学研究所, 助手 (20184898)
小笠原 一誠 北海道大学, 免疫化学研究所, 助教授 (20169163)
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Keywords | 骨髄キメラ / 胸腺細胞分化 / 自己認識 / 自己寛容誘導 / ポジティブセレクション / T細胞抗原レセプター |
Research Abstract |
1.H-2適合骨髄キメラ〔C3H→AKR〕、〔AKR→C3H〕の胸腺細胞の分化過程を表面マーカー、各種刺激に対する機能より解析した。その結果、C3Hをホストとするキメラの胸腺細胞は正常量のCD3抗原を発現するにもかかわらず、抗CD3抗体刺激に対して増殖反応を生じないことが判明した。しかし、これらの細胞のCa流入は正常に起こることが分かり、それ以降のシングル伝達系に問題のあることが明らかになった。従ってこの実験で、特定のマウス系統の胸腺内では、胸腺の成熟に異常が生じることを世界で最初に明らかにした。 2.H-2不適合キメラ〔BIO-AKR〕の分化過程をFACSによる3カラー解析で詳細に検討し、胎生期の分化と較べて間のびするため、種々の分化時期の細胞を固定することが可能となることが判明した。例えば我々はCD4^+8^-胸腺細胞にも時期によっては、J11d発現を認められることを発見し、又CD4^+8^-及びCD4^-8^+胸腺細胞も機能的には、種々の分化段階のものがあることが判明した。又、この〔BIO-AKR〕キメラを用い、Vβ6T細胞抗原レセプター陽性細胞が寛容導入によって消失すること、この寛容導入には、骨髄由来の樹状細胞、マクロファージが必要なことを明らかにした。 3.SWRとSJL間で作製した骨髄キメラの胸腺細胞をFACSで3カラー解析し、世界で最初に正常マウスにおけるpositive selectionを証明した。即ち、Vβ17a^+CD4^+8^+胸腺細胞は、胸腺上皮細胞に発見されるH-2クラスI抗原によって刺激され、拡張することを明らかにした。現在クラスI抗原によって刺激され、拡張することを明らかにした。現在クラスI抗原の性格なエピトーブをH-2ミュータントマウスを用いて解析中である。
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[Publications] Ogasawara,Masariho: J.Immunol.141. 3306-3312 (1988)
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[Publications] Fujita,Masaki: Immunology.
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[Publications] Onoe,Kazunori: Acta Pathol.Jpn.38. 101-110 (1989)
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[Publications] Katsume,Chikako: Microbiol.Immunol.
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[Publications] Iwabuchi,Kazuya: Proc.Natl.Acad.Sci.USA.
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[Publications] Onie,Kazunori: Immunobiol.
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[Publications] 小野江和則: "現代の免疫学" 医学書院, 141-147 (1988)
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[Publications] 小野江和則: "Annual.Review 免疫 1988" 中外医学社, 1-13 (1988)