1989 Fiscal Year Annual Research Report
温度感受性変異レトロウイルス株を用いたT、B細胞分化誘導機構の解析
Project/Area Number |
63480166
|
Research Institution | National Institute of Health |
Principal Investigator |
竹森 利忠 国立予防衛生研究所, 細胞免疫, 部長 (60114295)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重本 和宏 国立予防衛生研究所, 細胞免疫, 研究員 (00192104)
田川 雅敏 千葉大学, 医学部, 助手 (20171572)
|
Keywords | 幼若B細胞特異遺伝子 / μ鎖結合蛋白分子 / 細胞内シグナル伝達 / 幼若造血細胞クロ-ン / 分化拘束 |
Research Abstract |
1)B細胞特異的な調節機構により発現する遺伝子8HS20の構造と機能の解析:我々が温度感受性変異株Abelsonマウス白血病ウィルス(AーMuLV)感染幼若Bリンフォ-マより単離した遺伝子クロ-ン8HS20はB細胞で0.^7kbのメッセ-ジとして発現され、遺伝子の発現量は幼若B細胞で正常B細胞と比較し約40倍に増強する。cDNAクロ-ンの全塩基配列の解析の結果、この遺伝子は分子量11.^5kdの123アミノ酸より構成される蛋白質をコ-ドすることが明らかにされた。合成ペプチド鎖に対する抗血清を用いた免疫沈降の結果、この蛋白分子は幼若およびvirginB細胞で産生される一部のμ鎖と結合し、同時に未知の16kdの蛋白分子とも結分することが示唆された。現在この遺伝子産物の機能を調べる目的で、トランスゲニックマウスを作製している。 2)新しいμ鎖結合蛋白分子の性状と細胞刺激伝達系での役割:我々は前B細胞からvirginB細胞の分化の過程で、μ鎖はK、λ鎖以外の未知の蛋白分子(50、40、27、18、15,^5、14kd)と結合し細胞表面に発現されることを明らかにした。18、15,^5、kdの蛋白分子はその分子量から幼若B特異的遺伝子λ5とVpreB1にコ-ドされることが示唆される。これらのμ鎖複合体は、細胞刺激伝達に関し成熟B細胞で発現されるμK鎖と異なる機能を示すことが明らかにされ、現在50、40、27kd蛋白分子の機能を調べる目的で抗体を作製中である。 3)幼若リンパ球細胞株クロ-ンを用いた分化の誘導とT、B系への拘束因子の同定:我々は温度感受性AーMuLVを用いて、胎児胸腺より人為的に分化可能な幼若造血細胞株を確立した。B6ー24はin vvoではCD4、CD8あるいはB220^+細胞へ、in vitroでのILー1刺激によりマクロファ-ジ系へ分化した。現在、他の幼若造血細胞クロ-ンを用い、in vitroでのB系への分化を種々のインタ-ロイキン刺激下で検討している。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] H.Kimoto,T.Shirasawa,T.Sudo,T.Suda,M.Taniguchi,T.Takemori: "Nuyeloid precursor cells are present in the thymus at early development." J.Exp.Med.(1990)
-
[Publications] T.Shirasawa,I.Miyazoe,M.Taniguchi,T.Takemori: "Mu chain diverity geverated in progeuies from a common precursor cell transformed with a ts uwtant of Abelson nurine leudewia virus." EMBO J.(1990)
-
[Publications] T.Takemori,J.Mizuguchi,I.Miyazoe,N.Nakanishi,et al.: "Two types of μ chain conuplexes are exproessed during differentiation from preβ to mature β cells." EMBO J.(1990)