1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63480200
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
古田 精市 信州大学, 医学部・第二内科学教室, 教授 (20020852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
袖山 健 信州大学, 医学部・第二内科学教室, 講師 (00163139)
清沢 研道 信州大学, 医学部・第二内科学教室, 助教授 (30020829)
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Keywords | 非A非B型肝炎 / C型肝炎 / 肝硬変 / 肝癌 / インタ-フェロン治療 |
Research Abstract |
非A非B型肝炎ウイルスについてはこれまで世界各国の多数の研究者がその発見のために努力してきたが、いずれも不成功に終っていた。本研究者らも非A非B型肝炎患者について生検肝組織および患者のリンパ球を種々の方法により培養することによって非A非B型肝炎ウイルスの誘導、増殖を行うことによりその発見を試みたが、ウイルスは見出しえなかった。1988年にアメリカのChiron社の研究陣により輸血後肝炎型の非A非B型肝炎を感染させたチンパンジ-血液よりウイルス核酸が遺伝子工学的方法によりクロ-ニングに成功し、そのウイルスをC型肝炎ウイルスと命名(HCV)した。さらに彼等はHCVに対する血清中の抗体、HCV抗体の検出方法を確立した。本研究者らはChiron社により作製されたHCV抗体検出のキットを用いて非A非B型肝炎患者について検討を行った。その結果、散発性の非A非B型急性肝炎例では44%、輸血後非A非B型肝炎では62%、さらに非A非B型の慢性肝炎76%、肝硬変64%、肝癌では70%とそれぞれ高率にHCV抗体が陽性であるのに対して、輸血歴のないB型の慢性肝疾患では5%以下に検出されたにすぎなかった。すなわち、わが国の非A非B型肝疾患の約70%はHCVによるものであることが確認された。非A非B型の急性肝炎例ではHCV抗体が陽性のC型はHCV陰性例に比べて慢性化率が有意に高率であった。また輸血後の慢性肝炎、肝硬変例から肝癌に移行した症例15例は全例がHCV抗体が陽性であり、HCVの持続感染と肝癌発生との間に密接な関連のあることが示唆された。インタ-フェロンによる非A非B型慢性肝炎の治療においては、B型に比べて血中のB_2ミクログロブリンの上昇が少く、また生検肝組織中でのHLAクラス1抗原の表現の程度も弱い傾向がみられたが、肝実質内の浸潤リンパ球の消失はB型より著明であり、インタ-フェロンに対する反応は両群間において相違がみられた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 古田精市: "散発性C型肝炎-臨床像とHCVの感染性" 医学のあゆみ. 151. 761-765 (1989)
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[Publications] 清沢研道,小池ゆり子: "HCV抗体陽性肝硬変の予後-とくに肝細胞癌への移行" 医学のあゆみ. 151. 826-829 (1989)
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[Publications] K.Kiyosawa,T.Sodeyama,S.Furuta他6名: "Treatment of chronic non-A,non-B hepatits with human interferon β:a preliminary study" Antiviral Research. 12. 151-162 (1989)
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[Publications] 古田精市,清沢研道他3名: "慢性肝炎、肝硬変とC型肝炎" 肝胆膵. 20. 35-40 (1990)
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[Publications] 古田精市,清沢研道他3名: "非A非B型肝炎研究の進歩とC型肝炎ウイルス抗体の臨床的意義" 日本臨牀. 48. 39-46 (1990)
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[Publications] Kendo Kiyosawa,Takeshi Sodeyama,Seiichi Furuta他4名: "Viral Hepatitis and Liver Disease “Treatment of Chronic Non-A,non-B Hepatitis with Beta-Interferon"" Ed.A.J.Zuckerman,(Alan R,Liss Inc.New York, 895-897 (1988)