1988 Fiscal Year Annual Research Report
B型慢性肝炎の急性増悪とB型肝炎ウイルス変異との関連性についての分子生物学的研究
Project/Area Number |
63480203
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
太田 康幸 愛媛大学, 医学部, 教授 (40033055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀池 典生 愛媛大学, 医学部, 助手 (90173624)
恩地 森一 愛媛大学, 医学部, 講師 (10112260)
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Keywords | B型慢性肝炎 / PCR法 / mutation |
Research Abstract |
B型慢性肝炎患者で肝炎の増悪を繰り返す症例において、その急性増悪時にB型肝炎ウイルス(HBV)のC領域がmutationを起こしvariantとなっているか否かを検索するために、血清HBV-DNAを抽出し、そのシークエンスを決定する。本年度はまず、クローニングされた既知のB型肝炎ウイルスのC領域がPCR(polymerase chain reaction)法により増幅されるか否かを検討した。HBVはadr型、3.2kb、xhoI-fragmentを使用した。C領域のPrimerは、HBV-DNAの1916ー1935の20塩基と、2413ー2432のanti-senseの20塩基の2本を用いた。Denaturationは95℃で1分、Annealingは45℃で2分30秒、Primer extensionは75℃で2分30秒とした。Thermus aquaticus DNA polymeraseはNew England Biolabs社のを用い、dATP、dTTP、dCTP、dGTPは宝酒造社のを用いた。Kcl、Tris-Hcl、Mgcl_2、gelatinよりなるBufferとPrimer、dATP、dTTP、dCTP、dGTP、polymerase、salmon sperm DNAを混和後、95℃→45℃→75℃の順番で、30cycle PCR法を行った。元のHBV-DNAは1pgでも1〜10ngまで増幅された。続いて、B型慢性肝炎患者で肝炎の急性増悪を繰り返した症例の保存血清よりHBV-DNAを抽出し、そのDNAのC領域をPCR法にて増幅している。抽出されたHBV-DNAは、数pgから数ngであった。 次年度は、得られたDNAを2%のアガロースゲルに電気泳動し、ゲルより500ベースのC領域のHBV-DNAを抽出し、Sanger法にてシークエンスを決定していく予定である。また、クローン化HBV-DNAを、Hela細胞、HUH6肝癌細胞にトランスフェクションし、HBVアーカーを発現している細胞を得、発現したHBc抗原、HBe抗原のエピハープが異なるか否かの検討も併せて行っていく予定である。
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