1989 Fiscal Year Annual Research Report
消化管における上皮細胞増殖因子(EGF)前駆体の生理的、病態的意義に関する研究
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63480204
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Research Institution | Nagoya City University Medical School |
Principal Investigator |
伊藤 誠 名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (00080119)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安江 直二 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (80210243)
横山 善文 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (00145723)
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Keywords | 上皮細胞増殖因子 / EGF / 高分子EGF / EGF前駆体 / 酵素免疫測定法 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
1.高分子EGFに対するEIA系の調整 昨年度報告したように、高分子EGFのアミノ酸配列から2種類のペプタイドを合成し、それに対する抗体(858ー873抗体:抗体I、952ー969抗体:抗体II)を調整した。これらにすでに所有している抗ヒトEGF抗体をくわえた3種類の抗体の組み合わせでサンドイッチ型EIAを調整し、湧永製薬から提供されたヒト高分子EGFをスタンダ-ドとして測定系を検定した。しかし、蛍光強度は最大約3倍にとどまり、このため、競合阻害反応による酵素標識免疫吸着法でも測定系を検討したが、所期の感度を得るに至らなかった。以上より、高分子EGFのEIA系の確立にはさらにアフイニテイの高い抗体の調整を現在検討中である。 2.高分子EGFの局在に関する免疫組織学的検討 抗体I、IIを用いABC法により、まずラットの顎下腺、膵蔵、肝蔵、腎蔵、胃、十二指腸、大腸について染色を試みた。しかし、いずれの臓器とも染色像は得られず、その原因として高分子EGFに対する両抗体のcross-reactivityの欠如もしくは抗体の組織へのlow affinityなどが推測てれた。ABC法の信頼性に関しては、所有している抗ヒトペプシノ-ゲンIおよびII抗体でラット顎下腺とヒト胃について染色を行ない検定した。その結果、ヒト胃の主細胞には明瞭な染色像が得られ、ABC法の手法には問題ないと判断している。つぎに、ヒトに正常腎蔵と顎下腺では、抗体IIによって腎蔵の血管内膜細胞、尿細管上皮および間質、顎下腺では腺管と間質に陽性所見が得られた。現在この染色像が高分子EGFであることの同定を進めている。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Makoto Itoh,Takashi Joh,Shinpei Imai,Tadahisa Miyamoto,Kei Matsusako et al.: "Experimental and climical studies on epidermal growth factor for gastric mucosal protection and hesling of gostric ulcers" J.Clin.Gastroenterol. 10Supp.1. S7-S12 (1988)
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[Publications] 宮本忠寿、伊藤誠、横山善文、安江直二、今井新平ほか: "家兎胃粘膜器管培養法によるペプシノ-ゲン分泌の検討ーEpidermal growth Factor(EGF)の抑制効果についてー" 日本消化器病学会雑誌. 85. 1077-1081 (1988)
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[Publications] 伊藤誠: "EGFの胃粘膜防御・修復作用と抗潰瘍剤としての展望" 医薬ジャ-ナル. 24. 2667-2672 (1988)
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[Publications] 伊藤誠、城卓志、今井新平、宮本忠寿、安江直二、武内俊彦: "胃粘膜防御機構としてのEpidermal Growth Factor" クリニカ. 15. 348-354 (1988)
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[Publications] Takashi Joh,Makoto Itho,Naoji Yasue,Tadahisa Miyamoto,Akira Iwai,Kei Matsusako et al: "A sensitire lnzyme immunoassay system of rat-epidermal growth factor in biological fluids and tissue extracts" Acat Endocrinol. 120. 616-623 (1989)
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[Publications] 伊藤誠: "Epidermal Growth Factor" 消化性潰瘍、基礎と臨床. 8. 178-189 (1989)
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[Publications] 伊藤誠(分担執筆): "胃粘膜防御の仕組ーあゆみと展望ー、EGF" 竹本忠良ほか、医歯薬出版社, 9 (1988)
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[Publications] 伊藤誠、安江直二、武内俊彦(分担執筆): "胃潰瘍の治療と再発防止ー臨床の最前線ー胃潰瘍とEGF、ロイコトリエン、SOD" 岡部治弥ほか編集、医薬ジャ-ナル社, 9 (1989)