1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63480207
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐々木 英忠 東北大学, 医学部附属病院, 教授 (20004731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関沢 清久 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (50171335)
志村 早苗 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (20154312)
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Keywords | メトピロン / 遅発型喘息発作 / 好酸球 / 好中球 / 血中コーチゾール |
Research Abstract |
目的:我々は遅発型反応(LAR)発現モデルを用いて、抗原暴露後、肺局所所見を経時的に観察し、好酸球の喘息反応における役割について考案を加えた。 方法:アスカリス自然感作犬を麻酔後、気管内挿管し、人工換気下に_3Hzオッシレーション法で呼吸抵抗を連続的に記録する。抗原暴露前1時間および2時間後にそれぞれ80mg/kg、40mg/kgのメチラポン(糖質コルチコイド合成阻害剤)を投与する。アスカリス抽出抗原を低濃度より5分間吸入暴露する。暴露直後、初期抵抗の2倍以上の抵抗上昇が得られ(IAR)、約1時間以内に初期抵抗に復帰するが、6〜8時間後に再び種々の程度の呼吸抵抗の再上昇が認められる(LAR)。一度、LARが発現すると、30時間以上にわたり種々の程度の気道収縮が持続する(喘息発作重積状態)。抗原暴露後6時間、10時間、20時間、30時間後に対象を屠殺し、摘出肺にて気管支肺胞洗浄(BAL)および気道壁の組織学的検索を行った。 成績:BAL液中の好中球はいずれの時間においても有意に上昇しておりLARの程度の相関がみられた。BAL中の総細胞に対する好酸球の割合は、0.4±0.2(mean±SE)%(6時間)、6.0±1.2%(10時間)、4.0±0.8%(20時間)、40.0±7.9%(30時間)であったが、好酸球の数とIARおよびLARの程度とは相関はみられなかった。組織学的検索では、とくに30時間後に、末梢気道壁への著明な好酸球の浸潤を認めた。 結論:好酸球の肺への集積は、抗原暴露後10時間前後よりおこると推定され、LAR発現のひきがねとなっている可能性は少ないと思われた。しかし、今回の我々の動物実験モデルでは、LAR発現後肺に好酸球が著明に集積してくることより、好酸球がLAR発現後の気道過敏性の亢進をもたらし気道収縮反応を持続させる可能性が示唆される。
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Research Products
(2 results)