1988 Fiscal Year Annual Research Report
DNA工学によるカリニ肺炎ワクチンの作製とその応用
Project/Area Number |
63480208
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田辺 清勝 東京大学, 医科学研究所, 助手 (80134625)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 義一 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (40114590)
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Keywords | ニューモシスチスカリニ / 組換えDNA / ワクチン / DNA診断 / 遺伝子クローニング |
Research Abstract |
今年は初年度にあたり、ニューモシスチスカリニ(以下、カリニと略す)のワクチン試作のための遺伝子クローニングを主に実施した。これまでに分子量115,000の膜蛋白質がワクチンの対象として秀れていることが判明しており、既にこの物質のフラグメントのアミノ酸配列が決定できている。それに基づくオリゴDNAプローブもいくつか試作できている。これらのプローブを用いて、ラット感染肺から得たカリニのDNAをλファージのEMBL3ベクターに組込んだ、いわゆるゲノムDNAライブラリーの中から、相補性のあるクローンを釣り上げる作業を進めてきた。約100万個のプラークからいくつかの陽性クローンを得ている。制限酵素やプローブを組合わせた実験にて、更にスクリーニングを行い、現在、塩基配列のシークエンスを行っている。もし真に求める当りのクローンが得られれば、ワクチン作製に一歩近ずけることになる。 他方、カリニのRNAの研究も同時に展開している。ラットのカリニ感染肺より純度の高いRNAを得る方法が確立できている。オリゴdTカラムを通したメッセンジャ(m)RNA分画を取り、一本鎖から二重鎖のDNAを合成させ、λgt11のベクターに組込んで、いわゆるC-DNAライブラリーを作製した。現在、カリニの抗体を用いて、インムノスクリーニング法で、カリニ蛋白質をコードするDNAのクローニングを進めている。m-RNAを用いて、in vitroトランスレーションの実験も試みている。この実験で、多くの蛋白質が合成されていることが確認できたが、この中からカリニの蛋白質成分を同定する作業を進めている。このようにクローニングが順調に展開しており、当たりのクローンが得られることがこの研究には不可決であるが、今後急速に研究が展開するものと期待できる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] J.Watanabe;K.Tanabe;et,al.: Molecular and Biochemical Parasitology. 32. 163-168 (1989)
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[Publications] K.Tanabe;et,al.: Infection and Immunity. 57. (5 ) (1989)
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[Publications] K.Tanabe;et,al.: J.Clincical Microbiology. 1989.
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[Publications] 田辺清勝: "コアテキスト・寄生虫学 ニューモシスチスカリニ肺炎の項担当" 南江堂出版,
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[Publications] 田辺清勝: "内科診断-検査アクセス ニューモシスチスカリニ肺炎の項担当" 日本医事新報社出版,