1988 Fiscal Year Annual Research Report
サルコイドーシスおよび過敏性肺炎の発症機作に関する分子生物学的研究
Project/Area Number |
63480212
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
小西 一樹 岩手医科大学, 第三内科, 助教授 (00091687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中館 俊英 岩手医科大学, 第三内科, 副手
国分 久美 岩手医科大学, 第三内科, 副手
毛利 孝 岩手医科大学, 第三内科, 助手 (30210082)
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Keywords | サルコイドーシス / 過敏性肺炎 / 肺胞マクロファージ / リンパ球 / TNF / IL-2 / IL-2R / mRNA |
Research Abstract |
サルコイドーシス(サ症)、過敏性肺炎(HP)の両間質性肺疾患々者より、気管支肺胞洗滌法によって肺胞マクロファージとリンパ球を採取、それぞれの活性化因子として、TNF(腫瘍壊死因子)、IL-2(インターロイキン2)、IL-2R(IL-2受容体)に着目して研究をすすめた。 (1)肺胞マクロファージのTNF産生能に関する研究。ヒト材料について実験するに先立ち単球由来細胞株であるTHP-1とU-937を用いて、そのTNF産生能をLM細胞を用いたバイオアッセーにて、TNFのmRNA発現をTNF-cDNAプローブを用いたノーザン解析にて検討した。LPS+PMA刺激により、THP-1、U-937の両細胞株は培養上清中に10〜50U/mlのTNFを産生した。ノーザン解析でもLPS/PMA刺激により4時間後にはTNFmRNAの発現が観察された。以上の実験結果を踏まえて、健常非喫煙者とサ症患者より得られた肺胞マクロファージを用いて、無刺激およびLPS刺激下でのTNF産生能を検討した。健常者の肺胞マクロファージは無刺激ではTNFを産生せず、LPS刺激下でも12U/mlのTNF産生能を示すのみであった。一方、サ症患者の肺胞マクロファージは無刺激でもすでにTNFを産生しており、LPS刺激によってさらに産生能の亢進が認められた。 (2)、肺内リンパ球のIL-2、IL-2R発現に関する研究。T細胞の分化増殖過程にはIL-2Rの発現とIL-2の産生が必須である。そこでサ症、HP患者の肺と末梢血のリンパ球よりRNAを抽出し、IL-2およびIL-2RのmRNAをこれらリンパ球が発現しているか否かをノーザン解析にて検討することとした。はじめにヒト末梢血よりFicoll-Hypaque比重遠沈法およびナイロンウールカラムを用いてT細胞分画を得、PHA刺激下にIL-2、IL-2RのmRNA発現の動態を検討した。IL-2mRNAは刺激後すみやかに発現し6時間後に最大に達したがIL-2Rの発現はそれより遅れ、刺激後12時間後に最大に達した。
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[Publications] Moller,DR,;Konishi,K;et al: J.Clin.Invest. 82. 1183-1191 (1988)
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[Publications] Konishi,K,;Moller,DR,et al: J.Clin.Invest. 82. 775-781 (1988)
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[Publications] Moller,DR,;Konishi,K,et al: Am Rev respir Dis. 137. 312-312 (1988)
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[Publications] KONISHI.K.;KOKUBU,K,et al: Jap J Med. 27. 422-422 (1988)
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[Publications] 小西一樹: 呼吸. 7. 1288-1294 (1988)
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[Publications] 小西一樹: 日本胸部臨床. 48. 1-10 (1989)