1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63480219
|
Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
杉田 秀夫 国立精神・神経センター, 神経研究所, 所長 (80009951)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚原 俊文 国立精神, 神経センター神経研究所・疾病研究第1部, 研究員 (60207339)
石浦 章一 国立精神, 神経センター神経研究所・疾病研究第1部, 室長 (10158743)
荒畑 喜一 国立精神, 神経センター神経研究所・疾病研究第1部, 室長 (30053325)
|
Keywords | 多発性筋炎 / 細胞障害性T-リンパ球 / パーフォリン / セリンエステラーゼ |
Research Abstract |
多発性筋炎における筋崩壊機構を解明するために、細胞障害性T-リンパ球に存在する膜障害タンパク質パーフォリン及びセリンエステラーゼに関する研究を行い、次の新しい知見が得られた。 1.酸性ムコ多糖がパーフォリン活性を増大させることを明らかにした。脱硫酸化した化合物には活性増大作用はなく、硫酸基あるいは負電荷が重要な働きをしていると考えられた。酸性ムコ多糖のうちでは、ヘパリンが最も活性増大の効果が大きく、数ng/ml以上の濃度でパーフォリン活性を増大させた。またヘパリンはパーフォリンの標的細胞への結合は促進せず、パーフォリン重合による膜障害作用に直接関与することを明らかにした。 2.パーフォリンはCa^<2+>依存的に細胞を障害することは知られていたが、今回Ca^<2+>はパーフォリン分子が標的細胞膜に結合(Ka=200μM)する過程にも、パーフォリン重合による「穴」形式過程(Ka=50μM)にも必要であることが明らかになった。 3.従来、細胞障害性T-リンパ球に特異的に存在するプロテアーゼの基質としてBLTとPro-Rhe-ArgMCAが使用されていたが、BLTの方がこのプロテアーゼに特異的な基質であることを明らかにした。またこの活性はPMSF、ピューロマイシンで強く阻害され、セリンエステラーゼであることも確認された。しかし、セリンエステラーゼ分画によってはミオシンの分解は観察されなかった。 4.細胞分画法によってパーフォリンとセリンエステラーゼが異なる細胞内顆粒に存在している可能性が高いことを示した。
|
-
[Publications] Shoichi Ishiura;Hirotaka Koizumi;To shifumi Tsukahara;Hideo Sugita.: J.Biochem.103. 11-13 (1988)
-
[Publications] Hirotaka Koizumi;Toshifumi Tsukahara;Shoichi Ishiura;Hideo Sugita.: Proceedings of the Japan Academy. 64. 155-158 (1988)