1988 Fiscal Year Annual Research Report
新しい赤外蛍光生体顕微鏡システムによる心筋の微小循環動態の解析
Project/Area Number |
63480222
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大島 宣雄 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (50015971)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 正明 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (30111371)
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Keywords | 血漿タンパク質 / 近赤外蛍光 / 赤外蛍光顕微鏡システム / ICG / ラット潅流心 |
Research Abstract |
蛍光色素インドシアニングリーン:ICGの蛍光分光特性はspectrofluorometerにより濃度、pH、温度等の条件を変えて評価した。また、蛍光強度が血漿蛋白質に強く依存することが判明したため、HPLCにより蛋白分画の蛍光特性を分析した。一方、赤外蛍光顕微鏡システムは、生体観察用に改造し、ICG蛍光測定にあわせて光学系の調整をした。 蛍光分光の結果、ICGは765nmの励起光によって近赤外波長域(789-840nm)に蛍光を発することが確認された。この蛍光強度は、濃度域2.0-5.0ug/ml、pH8-9において極大を示した。更に蛍光の強度は0.5g/dl以上の血清アルブミンの存在下で高値を示した。すなわちICGは赤外蛍光のトレーサとして用い得ることが確かめられた。 生体観察用に改造した赤外蛍光顕微鏡システムは、当初、落射光源として半導体レーザを用いたが、十分な蛍光強度が得られなかった。そこで、ハロゲンランプ光源から干渉フィルタによって励起波長を選択し、蛍光以外の反射光はバリアフィルタを組み合わせて除外した。更にCCDカメラを用いて近赤外蛍光を画像化することを試みた。 ラット潅流心に特別に設計したホルダーに固定して赤外蛍光生体顕微鏡システム下に観察した。ICGの潅流により、ICGは微弱な蛍光として捉えられた。しかし、その蛍光強度は未だ十分ではないため、入射光源の強度を増すことをはじめとして光学系の更なる改良や蛍光の退色にたいする対策を今後行っていく予定である。
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