1988 Fiscal Year Annual Research Report
HLA不適合骨髄移植における生着不全の予防、とくに抗ヒトLFA-1の応用
Project/Area Number |
63480233
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
今野 多助 東北大学, 抗酸菌病研究所, 教授 (00004846)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
峯岸 正好 東北大学, 抗酸 菌病研究所, 助手
寺沢 政彦 東北大学, 抗酸菌病研究所, 助手 (80192201)
佐藤 徹雄 東北大学, 抗酸菌病研究所, 助手 (90170761)
土屋 滋 東北大学, 抗酸菌病 研究所, 助教授 (90142934)
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Keywords | 骨髄移植 / HLA不一致 / LFA-1 / CD_<11>a / CD_<18> / モノクローナル抗体 |
Research Abstract |
本年度の研究は2つに大別される。即ち、1)目的とする白血球膜抗原CD_<11>a/CD_<18>(LFA-1)に対するモノクローナル抗体(mAb)を作成し、その特異性を同定すること、2)臨床例についてHLA不一致の骨髄移植(BMT)を実施し、抗ヒトLFA-1mAbを試用し、その安全性と有効性を究明することである。結果は次の通りである。 1.抗ヒトLFA-1mAbの作成:培養ヒトBリンパ芽球様細胞をマウス(BALB/C)に免疫し、その脾細胞とマウス形値細胞腫細胞(SP/2)を融合(高電圧細胞陽合装置を使用)させ、ハイブリドーマを作成した。細胞擬集阻止を指標としてスクリーニングを行い、さらにLFA-1欠損症のリンパ芽球様細胞株との反応性がないことを確認し、抗ヒトLFA-1抗体を産生するハイブリドーマクローンを採取した。抗CD_<11>(α鎖)抗体を産生するクローン(YO3-5)とCD_<18>(β鎖)抗体を産生するクローン(YO1-7)を得た。免疫グロブリンアイソタイプは両クローン共にlgG_1であった。これらのmAbの認識する白血球膜蛋白は^<125>I標識を免疫沈降、そのポリアクリドアミドゲル電気泳動分析により、それぞれLFA-1のα鎖とβ鎖であることを確認された。現在これらのmAbの生物学的性状の解析を進めている。 2.Fanconi貧血症例についてHLAハプロタイプ不一致の母親をドナーとするBMTを試み、その際に抗ヒトLFA-1mAb(フランス,Immuno-tech社より供与)を、T細胞除去ドナー骨髄細胞の排除防止の目的で試用した。mAbはFischerらにならいBMT前後5日投与したが、これに使う副反応は全く認めなかった。結果的には生着が不充分であったが、Fanconiの場合の疾患特性とも関与したものと考えられる。
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[Publications] OHASHI,Yoshiuki: Tohoku J.exp.Med.
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[Publications] MINEGISHI,Masayoshe: Lenkemia Res.12. (1988)
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[Publications] MINEGISHI,Masayoshi: Lenkemia Res. 12. 227-232 (1988)
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[Publications] MINEGISHI,Naoko: Tohoku J.exp.Med. 154. 143-148 (1988)