1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63480243
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田上 八朗 東北大学, 医学部, 教授 (60026911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
照井 正 東北大学, 医学部, 助手 (30172109)
竹松 英明 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (80124600)
加藤 泰三 東北大学, 医学部, 助教授 (20004898)
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Keywords | 角層 / 補体 / C52 / 白血球 / 自己混合リンパ球反応 |
Research Abstract |
1.角層に対する白血球遊走現象の解析 正常角層片をモルモット皮内に埋没し、炎症反応を調べると、組織学的にはじめは多形核白血球、数日後よりマクロファージの浸潤が観察される。あらかじめ、大量のcyclophosphamideを投与し、白血球減少をおこさせた動物おいても、同様の変化がみられた。一方、大量のcobravenom factorを投与し低補体血症を起させた動物においては、多形核白血球の浸潤はみられず、数日後のマクロファージの浸潤は同様に観察された。すなわち、生体内で乾癬あるいはその類縁の無菌性角層下膿疱を生ずる疾患において、水疱蓋として露出した角層に対し白血球の遊走がおこる場合も、そこでは補体系の存在が必要であることを示唆するものである。さらに続いておこるマクロファージの浸潤においては、先行する多形核白血球の浸潤は、さほど大きな意味をもっていないことも確かめられた。 2.乾癬患者における自己混合リンパ球反応 末梢血リンパ球(10^7個)と末梢血ナイロンカラム付着性核細胞(10^7個)を自己血清20%加のRPMI1640で培養し、リンパ球の増殖反応を調べると、乾癬患者では正常人、あるいはアトピー性皮膚疹の治療によりある程度の上昇がみられるか、やはり正常人対照と比較すると有意に低下していた一方、末梢血の単核細胞自体のTリンパ球増殖作用をもつIL-2、IL-3、IL-4、GMCSFに対する反応性は、患者ならびに正常人との間で差違は認められなかった。これらの点は乾癬患者は他の自己速度疾患患者と似て、マクロファージとTリンパ球との間の反応性の低下があることを示すものであり、本症における細胞性免疫反応の関与を示唆するものと考えられる。
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[Publications] Kudoh K;Obata M;Torinuki W;Tagami H: Dermatologica. 176. 138-142 (1988)
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[Publications] Torinuki W;Tagami H: Acta Dermatovomereologica. 68. 257-260 (1988)
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[Publications] Kato T;Terui T;Tagami H: Proc Jpn Soc Invest Dermatol. 12. 76-77 (1988)