1988 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト単球および骨髄巨核球による血液凝固・線溶・血小板因子の産生,分泌に関する研究
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63480276
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
斎藤 英彦 名古屋大学, 医学部, 教授 (20153819)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小椋 美知則 名古屋大学, 医学部, 医員
谷本 光音 名古屋大学, 医学部, 医員
高松 純樹 名古屋大学, 医学部, 医員
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Keywords | 骨髄巨核球 / プラスミノゲンアクチベーターインヒビター / トロンボモジュリン |
Research Abstract |
線溶系活性化の制御に重要な役割を果たすプラスミノゲンアクチベークチンヒビター(PAI)には性質のことなる3種類のものがあることが知られている。このうちPAIー1は血中の大部分が血小板に存在するが、その産生部位は不明である。我々はすでに蛍光抗体法によりPAIー1が骨髄巨核球に存在することを見ているが、今回ヒトの骨髄巨核芽球細胞株(MEGー01)を用いてその産生を証明した。MEGー01細胞を1%BSA含有RPMI1640培地にて培産すると、少量のPAIー1細胞破壊液および培産上清中にELISA法により検出できる。次に細胞を10^<-7>Mphorbol esterにて成熟型に分化誘導すると、PAIー1産生は著るしく増加した。同時に未刺激細胞にはみられなかったPAIー2の産生もはじまった。一方インターロイキン添加では、MEGー01細胞のPAI産生に変化はみられなかった。 またMEGー01細胞は、トロンボモジュリン(TM)を産生することがTMのcPNAを用いたNorthern blot法により証明された。以前我々は本細胞株がプロラインS(PS)を産生分泌することを報告しており(Blood 70:301、1987)、骨髄巨核球が血液凝固反応の制御に重要な役割を果すことを示唆する。さらに巨核球のモデルとしてMEGー01を用い、血小板特異蛋白βーTGが産生分泌されることを明らかとした。βーTGの産生はMEGー01の分化成熟と共に増加することは興味深い。
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