1988 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄異形成症候群の病態論に関する基礎的並びに臨床的研究
Project/Area Number |
63480277
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
内野 治人 京都大学, 医学部, 教授 (40034615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小熊 茂 京都大学, 医学部, 助手 (00169260)
笹田 昌孝 京都大学, 医療短期大学部, 教授 (30144364)
山岸 司久 滋賀大学, 保健管理センター, 教授 (50026829)
伊藤 和彦 京都大学, 医学部, 講師 (50034640)
吉田 弥太郎 京都大学, 医学部, 講師 (80064525)
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Keywords | 骨髄異形成症候群 / 血球の分化異常と分化誘導 / サイトカイン / 前白血病 / 造血幹細胞 |
Research Abstract |
1.骨髄異形成症候群(MDS)の造血異常:約200例の骨髄培養で、各種の造血前駆細胞のコロニー形成の低下を認めた。未治療骨髄のCFUgmは生存期間と有意に相関し、また同一例で経時的なCFUgmの変動は予後とよく相関した。CFUgm、CFUeのin situにおける個々のクローンの増殖の経時的観察によって、コロニー形成に至らないクローンの増殖と分化の欠陥、変性像が認められ、無効造血を反映するものと理解された。非附着骨髄細胞の一部は、CSF添加培養後に骨髄抑制能を呈する細胞集団であり、液性抑性因子産生によると思われた。 2.MDS骨髄細胞の分化誘導:液体培養でIFNーγとVD_3、GーCSFとGMーCSFの組合せは、単独添加よりも単球系、顆粒球系への分化を協同的に促進した。 3.MDS血球の機能異常:好中球は種々の機能異常を呈するが、とくに遊走能の低下が顕著であった。骨髄細胞から樹立されたLCL培養株は、正常人由来LCLと異なり、B細胞形質以外に顆粒球・単球系の形質をも発現しているし、またpreB細胞の形質を示すものもあった。かかるLCLの形質発現の異常は、本症骨髄造血の質的異常の一面に分化抗原の表現変化があることを示唆する。 4.今後の課題:CSFで誘導される単球様細胞の造血抑制因子の同定、とくに既知のモノカインやLIFとの異同を検討中である。CMMLの1例の骨髄から非リンパ系培養細胞株を樹立したので、その性状の詳細を明らかにするとともに、MDSの病態解明への応用を考慮している。なおMDSの単球機能の系統的検索とくにTNFーIFN系や骨髄間質の機能についての検討も行う予定である。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Yataro,Yoshida: Journal of Clinical Pathology. 41. 763-767 (1988)
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[Publications] Hiroto,Sakoda: Biomedicine and Pharmacotherapy. 42. 335-341 (1988)
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[Publications] Shigeru,Oguma: Acta Haematologica Japonica. 51. 1412-1418 (1988)
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[Publications] Yataro,Yoshida: Acta Haematologica Japonica. 51. 1448-1454 (1988)
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[Publications] Kaoru,Tohyama: Blut.
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[Publications] Kaoru,Tohyama: European Journal of Haematology.
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[Publications] Haruto,Uchino;Fumimaro,Takaku;Yataro,Yoshida: "Myelodysplastic Syndromes Pathophysiology and Treatment" Elsevier, 1-217 (1988)
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[Publications] 吉田弥太郎: "白血病・悪性リンパ腫" 南江堂, 173-178