1988 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子組換型M-CSFによる単球の活性化と癌治療への応用
Project/Area Number |
63480279
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
元吉 和夫 自治医科大学, 医学部, 助教授 (80137702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 政樹 自治医科大学, 医学部, 教授 (60012762)
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Keywords | M-CSF / 単球活性化 / 殺腫瘍活性 / Chromium Release Assay / 無顆粒球症 / 骨髄異型性症候群 |
Research Abstract |
当初の研究計画のうち達成された点は以下の諸点です。1)ヒト単球コロニー刺激因子(M-CSF)がin vitroにおいて、単球を刺激しG-CSFやGM-CSFの産生を亢進させることをG-CSFやGM-CSFの抗体を用いて証明した。2)M-CSFが単球を刺激して巨核球増巾因子(Meg-POT)の産生を亢進させることをコロニー法を用いて証明した。3)M-CSFが単球の抗体依存性殺腫瘍活性(ADCC)を著明に増巾することを、Raji細胞(バーキットリンパ腫由来株細胞)を標的細胞にしたChromium Release Assayで証明した。4)M-CSFが単球の抗体非依存性殺腫瘍活性を著明に増巾することをK-562、HL-60、U-937などの白血病細胞株を標的細胞にした。またこの活性が単球のTNF産生を介していることを抗TNF抗体を用いて証明した。5)婦人科領域の抗癌剤療法後や骨髄移植後の好中球減少症や血小板減少症に対して、M-CSFの臨床投与が極めて有効であることを統計的に証明した。6)M-CSFがin vitroで白血病細胞の増殖を刺激しないことを証明した。7)強力な抗白血病療法のあと長期間無顆粒球症となった10人の急性非リンパ性白血病の患者にM-CSFを投与し9人において顆粒球の回復をみた。8)2人の骨髄異型性症候群(MDS)の患者をM-CSFで治療し、2例とも顆粒球数の増加と芽球の減少ないし消失をみた。以上のことよりM-CSFはin vitroでも臨床試験でも単球を活性化することによって顆粒球や血小板を増加させるとともに、単球の殺腫瘍活性を亢進させることが明らかとなった。次年度でMeg-potの純化と殺腫瘍活性のメカニズムの解析を行う予定です。
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[Publications] Motoyoshi.K,et al: Experimental Hematology. 17. 68-71 (1989)
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[Publications] Hanamura.T,et al: Blood. 72. 886-892 (1988)
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[Publications] Sato.Y,et al: Blood. 71. 1561-1567 (1988)
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[Publications] Hirai.T,et al: Jouenal of Immunology. 141. 3958-3964 (1988)
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[Publications] Masaoka.T,et al: Bone Marrow Transplantation. 3. 121-127 (1988)
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[Publications] Motoyoshi.K,et al: "Monokines and Other Non-Lymphocytic Cytokines" Alan R.Liss Inc., 301-306 (1988)
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[Publications] Motoyoshi.K,et al: "Role of human monocytic colony-stimulating factor in hematopoiesis." International Society for Interferon Research, (1989)