1988 Fiscal Year Annual Research Report
顆粒リンパ球性白血病・顆粒リンパ球増多症に出現するリンパ球の形態と機能
Project/Area Number |
63480280
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
押味 和夫 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (40089991)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 修 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (30167712)
赤星 雅 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40150974)
高橋 正知 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (90119991)
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Keywords | 顆粒リンパ球 / 顆粒リンパ球増多症 / キラーT細胞 / NK細胞 / parallel tubular array / CFU-E / BFU-E / INF-γ / T細胞抗原レセプター / 単クローン性増殖 |
Research Abstract |
(1)Granular lymphocyte(GL)の免疫学的性状 顆粒リンパ球増多症(GL-proliferrative disorders:GLPD)に出現するGLは症例によりCD3^+のT細胞型とCD3^-16^+のNK細胞型に大別される。T細胞型のGLは抗CD3抗体やレクチンの存在下でFcR^+標的細胞にキラー活性を誘導できることから、何らかの抗原に体するキラーT細胞が異常に増殖した病態であることが考えられる。NK細胞型のGLの増殖は、本来のNK細胞の働きから考えると、ウィルス感染などで異常に増殖した状態であることが推定される。CD3^+GLPDの多くが単クローン性増殖であるが、この機序については不明である。 (2)GLの微細構造 parallel tubular array(PTA)が電顕で同定できる細胞では何らかのキラー活性を有していることから、PTAがキラー活性の発現に関与している可能性が考えられる。 (3)コロニーアッセイ GLPDでみられる貧血はGLによるCFU-E、BFU-Eの抑制による。GLの培養上清中にも抑制因子が見出され、抑制活性は抗INF-γ抗体によりキャンセルされることから、INF-γの産生が直接E系の抑制を起こし、貧血をひき起こしている可能性が考えられる。しかし上清中に産生されるINF-γの量と貧血の程度が相関しないことから、INF-γそのものではない可能性もあり、現在検討中である。 (4)T細胞抗原レセプター(TCR)遺伝子の解析 TCR-γ、β遺伝子の解析から、CD3^+GLPDはT細胞の単クローン性または多クローン性増殖であり、NK型GLPDはT細胞の単クローン性増殖は証明できない。
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[Publications] Kazuo,Oshimi: Leukemia. 2. 617-627 (1988)
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[Publications] Kazuo,Oshimi.et al.: Blood. 71. 923-931 (1988)
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[Publications] Kazuo,Oshimi.et al.: 71. 473-479 (1988)
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[Publications] 押味和夫: Medical Immunology. 15. 531-541 (1988)