1988 Fiscal Year Annual Research Report
ブタ鎖肛における骨髄筋群及び骨盤内末梢神経系の発生異常の解明
Project/Area Number |
63480287
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
澤口 重徳 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (90111385)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八神 健一 筑波大学, 臨床医学系, 助教授 (40166476)
越智 五平 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (20185614)
大川 治夫 筑波大学, 臨床医学系, 助教授 (30009667)
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Keywords | 直腸肛門奇形 / 鎖肛 / 内肛門括約筋 / 外肛門括約筋 / 顕微画像の三次元立体構築 / 会陰神経 / 横隔膜ヘルニア |
Research Abstract |
1.鎖肛ブタ家系の維持(1)我々の確立した2家系の維持を続けていると同時に、家系内交配による弊害を除く為に、新しい雄鎖肛ブタを家系外より入手、治療の上飼育している。 (2)鎖肛ブタの1家系内に失天性横隔膜ヘルニアの多発をみとめ、既に13頭を経験し、1頭を救命した。鎖肛とは遺伝的には関係なく、double recessive geneの存在が疑われている。この検討をまとめ報告した。 2.鎖肛ブタ胎仔を用いた組織学的発生学的検討 (1)鎖肛ブタ胎仔の入手が着々と進行している。22日令以前では失敗の連続で未だ技術的に完成を見ていない。24〜60日令胎児の失状断標本作成により、解析が進み、内肛門括約筋、外肛門括約筋の発生学的検討が進んでいる。特に内肛門括約筋の発生に関しては新しい知見がえられた。即ち正常においても鎖肛例においても腸粘膜に続くdorsal cloaca起源の移行上皮部(鎖肛では瘻の部分)を内肛門括約筋が発達下降してカバーする (2)三次元立体構築法を用いたcloacaの発生過程の解明 われわれの開発した本法を用いて複雑な発生学的構造の立体化を果した。 (3)鎖肛ブタの骨髄内神経分布の解剖学的検討 約40kgの成ブタを用い、雄、雌、鎖肛雌の骨盤内神経分布を解剖学的に追求した。正常ブタ,鎖肛ブタ共に仙骨神経叢はL6からS3までの脊髄神経より構成されている。陰部神経は正常ではS1、2、3より起こり、ヒトと同様3枝に分れ、陰核背神経、会陰神経、中直腸神経となる。会陰神経が外肛門括約筋に分布している。鎖肛ブタでも陰部神経はS1、2、3より起こり、その後3枝に分れ、ほぼ正常に走行していた。但し鎖肛ブタにおいては、外肛門括約筋の筋束が正常より少なく、会陰神経は外肛門括約筋にまで到達せず肛門周囲の結合織に終っていた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 大川治夫: 医学のあゆみ. 145. 493- (1988)
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[Publications] 大川治夫: 日本小児外科学会雑誌. 24. 424- (1988)
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[Publications] 松本正智: 医学のあゆみ. 148. 371-372 (1989)
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[Publications] 大川治夫: 日本小児外科学会雑誌. 25. (1989)
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[Publications] 松本正智: 日本小児外科学会雑誌. 25. (1989)
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[Publications] H.OHKAWA: Congenital Anomalies. 28. (1989)