1989 Fiscal Year Annual Research Report
悪性腫瘍細胞株における蛋白分解酵素インヒビタ-精製とその生物学的特性の検討
Project/Area Number |
63480289
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
武市 宣雄 広島大学, 医学部附属病院, 講師 (20034655)
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Keywords | チオ-ル系蛋白分解酵素インヒビタ- / ヒト肺癌細胞株 / DNA合成 |
Research Abstract |
1.ヒト肺癌細胞株LKー2(扁平上皮癌)の培養液中のチオ-ル系蛋白分解酵素インヒビタ-(TPI)をセファデックスGー100ゲルろ過法で分離すると分子量1万と9万のTPIが得られ、分子量1万の低分子TPIをDEAEーセファセルイオン交換クロマトグラフィ-、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動で精製したが、等電点電気泳動で検討するとpI6.3とpI6.4に分離され、完全な製製になっていない。等電点で分離した後の回収は、蛋白量が微小のため困難で成功していない。大量の培養液の処理、精製手技に検討を加え、アミノ酸配列を決定するために必要な低分子TPIの完全な精製に努力している。 2.LKー2の細胞培養において、粗精製低分子TPIが〔3H〕チミジンの取り込みでみたDNA合成を強く抑制した。他のTPI(血中α_2ーTPI、尿中UTPI、微生物由来E64)でも抑制されるためTPIが細胞増殖に強く関与していると考えられる。これらのTPIの作用を他の癌細胞株(肺癌、乳癌等)についても検討すると、抑制の傾向がみられ、その強さについては細胞株によって差が大きかった。 3.LKー2の細胞培養において、チオ-ル系蛋白分解酵素(パパイン、フィシン、カテプシンB)の作用を同様に検討すると、DNA合成を促進した。他の癌細胞株においても促進した。 4.チオ-ル系蛋白分解酵素とTPIの相互作用を同様の実験法で検討しているが、相互に作用を阻害する傾向がみられた。さらに検討中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 武市宣雄: "The Significance of Immunochtmically Staining Culcitonin and CEA in Fine-Needle Aspiration Biopsay Materials from Medullary Carcinoma of the Thyroid" Japanese Journal of Suryery. Vol.6-19 (1989)
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[Publications] 吉岡伸吉郎: "ヒト肺癌細胞株におけるチオ-ル系蛋白分解酵素インヒビタ-の研究" 広島大学医学雑誌. 37(1). 199-215 (1989)