1988 Fiscal Year Annual Research Report
各種胃切除術の胆汁組成におよぼす影響、特に胆石症の発生を中心に
Project/Area Number |
63480296
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
杉山 譲 弘前大学, 医療技術短期大学部, 教授 (40113807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸張 雅晴 青森市民病院, 医員
森谷 洋 弘前大学, 医学部付属病院, 医員
羽田 隆吉 弘前大学, 医学部付属病院, 講師 (50125457)
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Keywords | 胃切除後胆石症 / 胃切除後胆嚢運動 / 胃切除後胆汁組成 |
Research Abstract |
(胃癌切除後胆石症の特徴)R_2以上のリンパ節郭清を行った胃癌治癒切除例について、昭和50年〜55年迄手術のA群147例と昭和56年〜61年迄手術のB群158例に分け比較検討した。尚、昭和56年よりA、B両郡とも6ヶ月枚の定期的胆動超音波検査(US)を行っている。胆石発見頻度はA群22.4%、B群22.8%であった。性別ではA群は男女共20%台、B群では男26.2%、女17.2%と男にやや多い傾向にあった。胃切除式別にはA群では全摘、亜全摘共22%台であるのに比べ、B群では亜全摘18.8%、全摘29.0%と全摘に多い傾向にあった。再建術式別に見るとA群では食物が十二指腸を通らないB_<II>、ρ吻合が大半を占め、その発見率は22.1%であった。一方、B群では食物が十二指腸を透B_I、空腸間置で15.0%であったのに比べ十二指腸を通らないB_<II>、ρ吻合では30.8%と有意に高かった。また、B_I(14.1%)に比べB_<II>(32.1%)で有意に高かった。一方、肝障害と胆石発生について見ると、入院期間中に肝障害を呈した69例では36例52.2%、肝障害の内268例では21例7.8%と、肝障害例を有為に多く胆石が発生した。 (胃癌切除後胆嚢運動)胃癌切除前後の胆嚢運動についてUSで観察したところ、外因性および内因性CCK負荷のいずれにおいても、胆嚢収縮能は術後1ヶ月前後の早期では、有意に収縮不良であった。しかし、6ヶ月以後の後期では正常に回復した。これに対し空腹時胆嚢面積は術後拡張したま完全傾向は認められず、胆汁うっ滞の一因を成すと考えられた。これらの胆嚢運動機能の障害はρ吻合、B_<II>で強かった。 (実験的研究)以上の臨床データに基づき外胆嚢瘻造設犬を制作し、胃切除群(B_<II>再建)4頭、対象群3頭で経時的に胆汁組成を検討した。胃切除群では術後1ヶ月目よりDCAの増加、CAの減少傾向、遊離型胆汁酸の増加を認めた。また、1頭に胆石形成を認め、術後の胆汁組成の変化も胆石形成の一因と考えられた。
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[Publications] 杉山譲: 日本臨床外科学会誌. 49. 1802 (1988)
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[Publications] 杉山譲: 消化器外科. 11. 1665-1669 (1988)
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[Publications] 山内登: 弘前医学. 40. 351-359 (1988)
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[Publications] 杉山譲: 日本消化器外科学会誌. 22. 192 (1989)
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[Publications] 杉山譲: 日本消化器病学会雑誌. 86. 496 (1989)
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[Publications] Yuzuru,Yugiyama: Digestive Surgery. 394 (1989)