1989 Fiscal Year Annual Research Report
解離性大動脈瘤手術への形状記憶合金製リング付きグラフトの応用に関する研究
Project/Area Number |
63480317
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
鈴木 康之 東北大学, 医学部, 助教授 (50004924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 康博 東北大学, 医学部, 助手 (40213095)
八巻 重雄 東北大学, 医学部, 講師 (30133953)
洞口 正之 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (20172075)
仁田 新一 東北大学, 抗酸菌病研究所, 助教授 (90101138)
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Keywords | 解離性大動脈瘤 / リング付きグラフト / 形状記憶合金 |
Research Abstract |
当初、実験2年目には動物実験を行う予定であったがリング付きグラフトの作製が予想外に困難を極めたため模擬回路内での実験にとどまっている。これまでNITINOL WIREをリング状にし人工血管の両端に装着したもの、または板材を環状にし両端に装着したもの、あるいはNITINOL WIREをコイル状にしたものなどを試作したが、いずれもカテ-テル法に準じた方法で挿入する際の変形の困難なこと、あるいは形状回復限界を越えること、また特にコイル状のものでは留置できてもコイルの間からの血液の漏れは相当量に達し、偽腔への血液流入防止が不可能に近いと思われることなどの問題点が明らかになり、いずれのものの望ましくないことが判明した。そこで次に考案したのが板材を螺旋状に巻き、円筒状にする方法である。(下図参照)この方法によれば形状回復能の限界を越えずに十分な細さに変形させることが可能と考えられる。また外側及び内側に隙間をカバ-するように人工布を装着することは容易であり、血液の漏れも少ないと思われ新しいタイプの人工血管とも言える。形状回復の方法としては通電法と電磁誘導法の2法を考えている。現在は通電法が進んでおり、模擬回路内では37℃の灌流生食水中で直径20mm、長さ40mmのもの(臨床応用に極めて近い大きさのもの)を3秒以内に形状回復させることが可能である。これからの問題点としては通電の端子と形状記憶合金との接点の処理などが残っている。またこれと平行してグラフトの効果判定(特に偽腔への血流防止、血栓化)のための実験モデルとして解離性大動脈瘤犬の作製も行っており、解離性大動脈瘤の作製に成功している。
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