1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63480343
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
宮本 義洋 広島大学, 医学部, 助教授 (00098625)
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Keywords | シュワン細胞 / 坐骨神経 / ラミニン / 神経再生 |
Research Abstract |
実験動物(ラット新生児,生後1〜5日)より坐骨神経を採取し,これを処理後シュワン細胞を培養した。この培養シュワン細胞を移植する前に次の実験を行った。1.実験動物(ラット,体重250〜300g)の坐骨神経に欠損部を作製し(欠損の長さ15mm),この間にシリコンチュ-ブを置く。シリコンチュ-ブ内には,軟寒天・フィブリンノリ・コラ-ゲンゲルを充填した。各充填物質において神経の再生状態を観察したが,特に有意の差はなかった。2.次に1.の物質へEGF・ソマトメジンの成長因子を添加してみた。しかし神経の再生には変化は生じなかった。以上の実験の後,ラミニンを主成分とするゲル状物質(B asement Membrane MATRIGEL^<TM>)をシリコンチュ-ブに充填し,神経欠損部に置いてみた。4週間後の観察では,チュ-ブ内に結合組織を認めまた一部にシュワン細胞を認めた。次に培養シュワン細胞をこのゲル状物質に含めシリコンチュ-ブに充填してみた。しかしゲル状物質単独の場合に比べ,有意の差は認めなかった。良好な神経の再生が得られなかった原因として,シリコンチュ-ブ内よりのゲル状物質の流出,シュワン細胞の変性と消失,ゲル状物質による神経再生への障害などが考えられた。 今後培養シュワン細胞をシリコンチュ-ブに充填する方法の改善,培養シュワン細胞の変性の防止を中心に実験を進めていく予定である。
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