1989 Fiscal Year Annual Research Report
末梢神経修復術における筋枝神経束の識別に関する実験的および臨床的研究
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63480344
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
松田 英雄 大阪市立大学, 医学部, 講師 (80137223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 信昭 大阪市立大学, 医学部, 助手 (00207804)
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Keywords | electrophysiolosical study / funicular identification / spinal cord stimulation / segmental evoked spinalcord potential |
Research Abstract |
1.上肢における筋枝、知覚枝の識別について A.猫を用いた実験的研究 a)橈骨神経浅枝および深枝体性感覚誘発電位:浅枝刺激によるSEPの方が深枝刺激によるよりも明瞭であり、両者の識別は可能である。b)硬膜外刺激による浅枝および深枝神経活動電位:C_7椎弓下硬膜外刺激により筋枝からは3個の陰性電位が観察された。それらに対する高頻度刺激(100Hz)の効果から、第1、第2陰性成分はそれぞれnon-synapticな活動電位、単シナプス反射電位と考えられた。刺激強度を1.2mAから5.7mAに上げると、浅枝からは最初の陰性成分に続く陽性成分が観察され、後者の電位は、picrotoxinの投与(i.v.)によりおさえられたので後根反射電位と考えられ、両者の識別は可能であった。c)椎間板刺激による筋枝および知覚枝NAP:C_<5/6>椎間板刺激では、先ず深枝のみ電位の導出された。d)筋枝ならびに知覚枝刺激による椎間板導出電位では特にC_<4/5>、C_<5/6>およびC_<6/7>高位において著明な第2陽性電位が出現し、筋枝刺激では現れなかった。この電位は刺激側のC_4へT_1後根切断により消失することから、脊髄内電位を反映していると思われ、現在タングステン電極(φ100μ)による脊髄内電位の検討を行なっている。B:臨床的研究 GOE^^〜麻酔下、中指指神経刺激によるC_<5/6>およびC_<6/7>椎間板電位において、実験結果と同様、初期陰性成分に続く大きな陽性成分が観察されたのに反して、上腕三頭筋々枝刺激によっては出現しなかった。2.下肢における筋枝、知覚枝の識別 実験的にはL_7硬膜外電極による馬尾刺激により、下腿三頭筋筋枝からはH波に相当する電位、腓腹神経からは後根反射電位が導出され、両者の識別は可能であった。臨床的には針電極を皮膚上から脛骨、総腓骨神経近くに挿入する方法を用いているため、通常のミオブロック投与量では神経活動電位は誘発筋電位に隠されることが多い。ミオブロック投与量を検討中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 島津晃,松田英雄 他: "末梢神経刺激による馬尾活動電位ーその診断的限界についてー" 臨床脳波. 31. 427-431 (1989)
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[Publications] 松田英雄,中田信昭 他: "頚髄の電気診断とモニタ-" 脊椎・脊髄. 2. 429-439 (1989)
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[Publications] NAKATA.N.,Matsuda.H.et al.: "Electrophysiological differentiation between motor and sensory funiculi for nerve repair using spinal cord potential" 4th interrational symposium on spinal cord momtoring and electro diagnosis.
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[Publications] 乗上啓,松田英雄,中田信昭 他: "馬尾刺激による下行性末梢神経活動電位に関する実験的および臨床的研究" 脳波と筋電図. 17(2). 188 (1989)
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[Publications] 中田信昭,松田英雄 他: "運動性ならびに知覚性神経束の識別に関する電気生理的研究" 整形外科.
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[Publications] 周一鳴,松田英雄,中田信昭 他: "経頭蓋的大脳皮質刺激の安全性に関する実験的検討" 脊髄電気診断学.脊髄電気診断研究会. 11(1). 13-16 (1988)