1990 Fiscal Year Annual Research Report
呼吸不全の予防と治療における横隔膜機能の操作に関する研究
Project/Area Number |
63480347
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
豊岡 秀訓 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (80010362)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 勉 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (50223805)
天羽 敬祐 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (30045992)
沢 桓 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (40013982)
横山 訓典 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (00014176)
|
Keywords | 呼吸筋 / 横隔膜 / 筋疲労 / 呼吸不全 / Ca拮抗薬 |
Research Abstract |
前年度までに開発された動物モデルにより横隔膜疲労を作成し、次の1)、2)の点につき異なる検討を進めた。また、同様な動物モデルにより新たに、3)、4)の検討を開始した。 1)横隔膜疲労における神経筋伝達不全の関与 2)呼吸筋への酸素、エネルギ-供給(特に横隔膜血流)と横隔膜の易疲労性の関連 3)横隔膜収縮力に及ぼす薬剤の効果 特に、ドブタミンの陽性変力作用とそれに及ぼすCa拮抗薬の効果 4)筋疲労の早期検出法としての横隔膜弛緩相の時定数の有用性 結果: 1)2)の結果については昨年度までに報告したので3)4)について記載する。 3)ドブタミン10μg/kg/minの投与により、Pdiは有意に増加した。この陽性変力作用はCa拮抗薬であるニカルジピンの同時投与により抑制された。以上より、ドブタミン投与による横隔膜収縮力増強作用には、カルシウムチャンネルが関与していることが示唆された。 4)自発呼吸下の動物の吸気側に吸気時陰圧最大ー15cmH_2Oとなるような吸気抵抗をつけ、15%の低酸素を吸入させることにより横隔膜疲労を作成した。疲労作成過程において経時的に横隔膜神経をテスト刺激することによりPdiを発生させ、その絶対値と弛緩相の時定数を測定した。低酸素下、吸気抵抗負荷の状態でPbiの絶対値が低下し始める前に弛緩相の時定数は延長を示した。以上より弛緩相の時定数は横隔膜疲労の早期検出に有用と思われた。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 大島 勉ほか: "横隔膜疲労における神経筋伝達不全の関与" 麻酔. 39. 1288-1293 (1990)
-
[Publications] Yoshitaka Fujii et al.: "Diaphragmatic fatigue and its reoovery are influenced by cardiac output" Journal of Anesthesia. 5. 17-23 (1991)
-
[Publications] 藤井 善隆ほか: "重篤な低心拍出量の横隔膜疲労および回復に及ぼす影響と神経筋伝達不全の関与" 麻酔. 40. (1991)
-
[Publications] Hidenori Toyooka et al.: "Tracheobronchial dilating effect of high frequency jet ventilation" Journal of Anesthesia. 4. 206-212 (1990)
-
[Publications] Hidenori Toyooka et al.: "A close relationship between postーtetanic twitch and trainーofーfour responses during neuromuscular blockade by vecuronium" Journal of Anesthesia. 5. (1991)
-
[Publications] 豊岡 秀訓: "麻酔科学書(分担:胸廓・呼吸筋の構造と機能)" 克誠堂出版株式会社, (1991)