1988 Fiscal Year Annual Research Report
光工学的手法による子宮内胎児環境因子の測定とその臨床意義に関する研究
Project/Area Number |
63480365
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
寺尾 俊彦 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (60022852)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
住本 和博 浜松医科大学, 医学部, 助手 (30126817)
林 贊育 浜松医科大学, 医学部, 助手 (40158564)
小林 隆夫 浜松医科大学, 医学部, 助手 (20107808)
早田 隆 浜松医科大学, 医学部, 講師 (60135259)
|
Keywords | 羊水 / 羊水混濁 / 羊水鏡 / 胎便 / コプロポルフィリン / 胎便吸引症候群 / 胎児仮死 |
Research Abstract |
胎児発育に伴って、あるいは児の状態変化に伴って、羊水中に排泄される各種物質と蛍光の関係を明らかにした。羊水中には405nmの励起光に対し、580nmと630nmの蛍光ピークを出す物質と、これとは異なる620nmに蛍光ピークを有する物質が有り、前者は胎便成分を、後者は胎児尿成分を反映していることが判明した。ことに胎便は胎児仮死や胎便吸引症候群(MAS)、羊水塞栓症などに関与し、その測定意義は大きい。そこでまず、胎便中の蛍光物質を明らかにすべく、胎便を精製し、質量分析計、核磁気共鳴の手法を用いて検討したところ、この蛍光物質は亜鉛とコプロポルフィリンの複合体であることが判明した。 次に、実際の臨床において経腟・経卵膜的にこの胎便成分が測定可能かいなかの基礎的な検討を行った。頸管粘液や卵膜の光学的特性を検討したところ、測定波長域の光においては殆ど測定に影響を与えず、経腟、経卵膜的に測定できることが判明した。そこで、操作が容易で、軽量コンパクトな蛍光測定による羊水情報測定システムを検討した。まずセンサとしてのファイバは光学的減衰の少ない石英を用いることにした。また、子宮口があまり開大していなくても、測定できるように、直径をなるべく細くし、かつ、卵膜に損傷を与えないように直径が5mmのセンサを開発した。この形状および構造は、励起光の送光と蛍光の受光が1本で可能な二重構造とし、先端が卵膜に直角にあたるよう緩やかなカーブを持たせ、子宮口からセンサを挿入し易くした。このセンサで得られた蛍光情報を分光器、光電変換器を介して、ラップトップ型のパーソナルコンピュータの液晶画面に蛍光スペクトルパターンを表示した。以上のごとく、光工学的手法を用いた非浸襲的羊水情報を得る手法を確立するとともに、これを測定する専用システムを開発した。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 寺尾俊彦: 産婦人科の実際. 38. (1989)
-
[Publications] 住本和博: 産婦人科治療. 56. 345 (1988)
-
[Publications] 住本和博: 周産期Symposium. 6. 138-144 (1988)