1988 Fiscal Year Annual Research Report
生理的実験モデルを用いた胎仔発育遅延の出生前治療に関する研究
Project/Area Number |
63480374
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
河村 堯 日本医科大学, 医学部, 講師 (80103977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鴨井 青龍 日本医科大学, 医学部, 助手 (90169649)
波多野 久昭 日本医科大学, 医学部, 助手 (10172917)
荒木 勤 日本医科大学, 医学部, 教授 (40089751)
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Keywords | 胎児発育遅延 / 胎児発育 / アミノ酸代謝 / 胎盤循環 / 胎児循環 |
Research Abstract |
妊娠80〜90日目の妊娠ヤギ6頭を使用したが、胎仔体重が非常に小さく、さらに双胎例が多く、ほとんどが手術侵襲のため、術後1〜2日目に胎仔死亡になった。しかし、生存2例において妊娠経過にともなう胎仔、羊水および母獣のアミノ酸組成や胎盤血流動態については若干の成績がえられた。その後、妊娠128日前後の妊娠ヤギ6頭において、生理的実験モデルを作成した結果、4頭について術後7日まで胎仔、羊水および母獣のアミノ酸組成を脳循環血流や胎盤血流動態についてデータがえられた。すなわち、アミノ酸組成に関してはAsparic acid,Serine,Glycine,Methionine,Tyrosineが母獣より胎仔に有意に多量に含有したが、妊娠経過に伴う変化は認められなかった。しかし、Threonine,Glutamine,Alanine,Valine,Leucine,Histidine,Ornithine,Lysineも胎仔に多量に含有し、妊娠90日目より妊娠経過とともに、徐々に増量する傾向が認められた。したがって、ヤギ胎仔においてThreonine,Glutamine,Alanine,Valine,Leucineなどのアミノ酸動態は発育との関連性が深いことが示唆された。 一方、正常発育胎仔において、胎盤血流動態は妊娠130日目頃、980±100ml/kgであったが、妊娠経過に伴う変動はあまり認められなかった。さらに胎仔の脳循環血流動態に関しては妊娠130日目頃、1400±170ml/min/kgであったが、妊娠経過とともに徐々に増加する傾向が認められた。 今後、正常発育胎仔および発育遅延胎仔の生理的実験モデルを作成し、両者間のアミノ酸組成の相違点および胎盤血流動態や胎仔循環動態における相違点について検討する計画である。
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