1988 Fiscal Year Annual Research Report
頭顎部悪性腫瘍における免疫組織学的研究(特に局所免疫動態の解析について)
Project/Area Number |
63480383
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
森田 守 自治医科大学, 医学部(耳鼻咽喉科), 教授 (00048969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 泰幸 自治医科大学, 医学部(耳鼻咽喉科), 病院助手 (80209105)
五十嵐 丈人 自治医科大学, 医学部(耳鼻咽喉科), 病院助手 (30201304)
石田 孝 自治医科大学, 医学部(耳鼻咽喉科), 助手 (10151375)
宮田 守 自治医科大学, 医学部(耳鼻咽喉科), 助手 (50159175)
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Keywords | 頭顎部腫瘍 / 悪性リンパ腫 / 免疫組織学的研究 / 細胞性免疫能 |
Research Abstract |
63年度の交付決定と同時に凍結切片作成装置を発注し、試切標本、手術標本の免疫組織学的検討を開始した。現在症例、標本の蓄積を計っており、また症例のdata base化を急いでいる。これを基礎にして、代学療法、放射線治療などによる修飾、患者の免疫状態との関係などを考察する予定である。これと並行して過去の悪性リンパ腫症例のLSG分類による再検討と、paraffin切片の単クローン抗体による染色で、T細胞性、B細胞性の区別を試みている。単クローン抗体としては、paraffin包理標本にはUCHL-1、MX-FanBを、新鮮凍結標本にはLeu-4、1、2a、3a、Leu-7、Leu-14などを用いている。今回検討した56例の内、Hodgkin病4、非Hodgkin病リンパ腫(NHL)52例、鑑別困難なものが2例あった。NHLのうちwaldeyer輪原発26例の約70%はびまん性下細胞型で全てB細胞型であった。頸部リンパ節原発例の組織像は多彩でLSG分類が困難なものが9例中3例あり、これらはいずれもT細胞型であった。鼻副鼻腔原発の11例で、免疫組織学的検討の可能であった症例の半数はT細胞型であり、予後は極めて不良であった。 次に化学療法が宿主免疫能へ及ぼす影響を、放射線治療および手術侵襲による影響と比較した。化学療法の内容は一定していないが、CDDPに5FU、VCR、PEPなどを併用している。放射線治療は全例に施行、手術は1/3の症例に行っている。主としてリンパ球の変動を指標としたが、リンパ球数の減少は放射線治療ほど著明でなく、OKT-3、4値の変動も少ない。5FU使用例ではOKT8値の増加がみられ、PHA、CONAリンパ球幼弱化率は著明に低下したが、VCR、PEP使用例ではリンパ球幼弱化率も軽度増加がみられた。一方放射線治療ではリンパ球数の減少は著明で、OKT3、4値も減少、OKT8値は増加し、OKT4/8比は著しく低下した。以上の成績は本年6月の日本頭顎部腫瘍学会にて発表の予定である。
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Research Products
(1 results)