1988 Fiscal Year Annual Research Report
癒着性中耳炎の成因・病態ならびに中耳真珠腫との関連についての研究
Project/Area Number |
63480387
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
本田 芳男 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (40056479)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沖久 衛 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (50169215)
菊池 康隆 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (90195214)
上出 洋介 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (10177579)
滝口 清徳 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (30142483)
梅澤 祐二 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (90056945)
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Keywords | 中耳真珠腫の成因 / 癒着性中耳炎の病態 / 実験的真珠腫 / 鼓膜の線維層 / 側頭骨の気胞化 / 鼓室峽部 / 表皮増殖因子 / 真珠腫の病態 |
Research Abstract |
1.実験モデルの作製:弛緩部型真珠腫、ならびに癒着性中耳炎の二種の実験モデルを作製中である。人の場合、耳管機能障害により二つの異なった病的状態が出現するが、これは人中耳の特殊な解剖学的関係による。動物の単純な中耳にこれら二種の異なった病態を作り得た点は誠に興味深い。夫々の成因の相異についても研究を進めていく。 2.慢性滲出性中耳炎において、鼓膜中間層の線維束が乱れ、融解し、消失していく。その傾向は鼓膜の内側より起こり始める。これらの研究結果は動物実験においても、人の例においても実証し得た。この緊張部の脱線維化現象は、鼓膜の陥凹には必要な条件である。しかし、癒着の発現する場合は、菲薄鼓膜の粘膜上皮の剥脱、肉芽面の形成が必要である。鼓膜穿孔を起こさずに、菲薄鼓膜の内面に肉芽形成を起こさせる因子は何か、引き続き研究を持続する。 3.滲出性中耳炎の中耳貯留液ならびに真珠腫の肉芽中に含まれるヒアルロン酸を、表皮の増殖因子と考え、ヒアルロン酸の表皮細胞増殖能力を細胞培養ならびにRI実験により研究中であり、或る程度のヒアルロン酸の上皮増殖能を得ている。 4.人側頭骨の連続切片標本のコンピューターグラフィックよりtympanic isthmusの三次元再構築を行い、気胞化との関係を調査している。 5.人の弛緩部型真珠腫、癒着性中耳炎ならびに緊張部型真珠腫の手術時における病態所見の解明は極めて重要な研究で、多数の精しい術中所見の記載を反復して検討中である。大変興味ある点は、真珠腫の進行が途中で停止してしまう例の分析にある。これらを含め、
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 上出洋介 他: 耳鼻咽喉科展望. 31. 601-633 (1988)
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[Publications] 本田芳男: Proceedings of Third International Conference on Cholesteatoma and Mastoid Surgery.
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[Publications] 本田芳男 他: Proceedings of Third International Conference on Cholesteatoma and Mastoid Surgery.
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[Publications] 森山寛 他: Proceedings of Third International Conference on Cholesteatoma and Mastoid Surgery.
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[Publications] 杉田尚史 他: Proceedings of Third International Conference on Cholesteatoma and Mastoid Surgery.
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[Publications] 青木和博 他: Proceedings of Third International Conference on Cholesteatoma and Mastoid Surgery.