1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63480389
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中澤 満 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (80180272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 敏 会津中央病院, 医師 (60108537)
山田 孝彦 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (40191316)
玉井 信 東北大学, 医学部, 教授 (90004720)
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Keywords | 網膜 / 網膜疾患 / 網膜特異抗原 / 網膜特異的cDNAクロ-ン / 分子生物学 |
Research Abstract |
抗網膜抗体が生体にて産生され、それらが網膜変性症などの病態に関与していることが示唆されている。これらの病態においてその抗原となりうるものは網膜において特異的に産生される蛋白質である。網膜に特異的に産生される蛋白質としては現在のところロドプシンやS抗原などが既知のものであるが、まだ我々が知りえていない網膜特異抗原は数多く存在しており、それぞれが眼組織の生理的機能または病理的変化に関係している可能性がある。具体的な例として網膜変性症の例に網膜抗原に感作されているものがあるという報告がみられるし、光凝固を受けた糖尿病性網膜症においても血液-網膜柵が破壊され網膜抗原が血中に流出し感作され免疫反応が惹起され病態が形成される可能性があるほか、網膜剥離においても網膜下液中に網膜抗原が存在し血液由来の細胞も同時に存在し感作される可能性がある。このような病態に関与しているとみられる未知の網膜抗原を実際に我々が検索できる形に分離する方法として分子生物学的手法を用い、網膜特異抗原をcDNAとして分離することを本年度の目的とした。まずサルの脳と肝臓からmRNAを分離したが、その収率が期待された量の約10%にとどまっていたため精製段階において何らかの操作ミスがあった可能性が考えられた。この問題点に対する解決策として、ヒト脳mRNAを購入し精製に費やす時間と労力を省くこととした。現在このヒト脳mRNAを用いてcDNAを合成し、すでに入手してあるヒト網膜由来cDNAライブラリ-をスクリ-ニングすることにより網膜特異的cDNAクロ-ンを分離すべく準備中である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] T.Haseba,et al.: "Molecular cloning of proteins synthesized by alkali burned rabbit corneas." Invest.Ophthalomol.Vis.Sci.(suppl.). 30. 403 (1989)
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[Publications] Y.K.Durlu,et al.: "Glucose-6-phosphatase system in the rabbit cornea." Invest.Ophthalmol.Vis.Sci.(suppl.). 30. 288 (1989)
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[Publications] T.Shiono,et al.: "Immunocytochemical localization of ornithine aminotransferase in human ocular tissues." Invest.Ophthalmol.Vis.Sci.(suppl.). 30. 308 (1989)
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[Publications] P.Russell,et al: "Proteins of a mouse lens cell line which expresses crystallins." Invest.Ophthalmol.Vis.Sci.(suppl.). 30. 308 (1989)
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[Publications] T.Mito,et al.: "Immunocytochemical localization of ornithine aminotransferase in human ocular tissues." Arch.Ophthalmol.(107). 107. 1372-1374 (1989)
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[Publications] 中沢満(分担): "ベッドサイド眼科学(分担部位)色覚の生理、心理物理学" 南江堂, 600 (1990)
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[Publications] 中沢満,玉井信(分担): "糖尿病の実践的治療(分担)眼合併症" 医薬ジャ-ナル, (1990)