1988 Fiscal Year Annual Research Report
緑内障の新治療法の基礎的研究ー視神経乳頭循環と温度変化測定法の開発
Project/Area Number |
63480400
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
東 郁郎 大阪医科大学, 医学部, 教授 (30084817)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 文平 大阪医科大学, 医学部, 助手 (10183386)
徳岡 覚 大阪医科大学, 医学部, 助手 (80155514)
松田 公夫 大阪医科大学, 医学部, 助手 (60165826)
中島 正之 大阪医科大学, 医学部, 講師 (00140161)
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Keywords | サーモグラフィー / 緑内障 / 眼温度 |
Research Abstract |
緑内障が眼内圧の抗進によって眼内の循環、特に視神経乳頭における血液供給の障害をうけ、視神経障害に導かれると考えられる。血液の変化を知る方法として、温度変化で把握する手段を選び、医用サーモグラフイーによる測定を試みた。 予備実験として、緑内障患者(原発開放隅角緑内障と低眠圧緑内障)を選択し、対照として非緑内障患者と高眠圧症患者を選んだ。そして、手指を0℃の氷水の中に1分間浸たし、温度計にて刻々と変化する手指の皮膚温を測定した。その結果、低眠圧緑内障患者は有意に低温からの皮膚温の回復が遅延し、原発開放隅角緑内障もそれに次いで皮膚温回復が遅延することが分った。このことは末梢血管収縮を惹起し、その回復がおくれることで交威神経系の調整能が障害されている可能性を示唆する。(第148回大阪眼科集談会、平成元年1月21日報告)更に、眼部の温度を医用サーモグラフイー(インフラアイ160)を用いて測定し、4℃低温の生理食塩水を点眼させた後の眼部温度変化を継時的に測定した。対象は、低眼圧緑内障、原発開放隅角緑内障および高眼圧症で、正常者を対照とした。現在、測定結果を得ている段階で手指の皮膚温回復率との相関性も検討している(第56回日本中部眼科学会、平成元年9月8日〜10日発表予定)である。 なお、動物眼について眼圧を眼圧センサーでモニターしながら温度変化を測定する実験を行っている段階である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 東郁郎: OphthaImology Llpdate. 13. 3-10 (1988)
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[Publications] Y.Goh;M.Nakajima;I.Azuma;O.Hayaishi: Brit J, Ophthalmol. 72. 461-464 (1988)
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[Publications] Y.Goh;M.Nakajima;I.Azuma;O.Hayaishi: Japanese Journal of Ophthalmolgy. 32. 471-480 (1988)
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[Publications] 徳岡覚: 大阪医科大学雑誌. 48. (1989)
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[Publications] 徳岡覚,中島正之,東郁郎: 日本眼科紀要. 40. (1989)
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[Publications] 東郁郎 編: "図説、眼科治療方針[上][下]巻(急性・慢性緑内障)" メジカルビュー社, 26-33 (1988)
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[Publications] 東郁郎: "講座、プロスタグランジン 5.脳と神経(20.眼の機能)" 化学同人, 217-225 (1988)