1989 Fiscal Year Annual Research Report
骨芽細胞に対するモノクロ-ナル抗体の作製とその応用
Project/Area Number |
63480405
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
山口 朗 昭和大学, 歯学部, 助教授 (00142430)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉木 周作 昭和大学, 歯学部, 教授 (30085740)
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Keywords | 骨芽細胞 / アルカリフォスファタ-ゼ / モノクロ-ナル抗体 |
Research Abstract |
本研究では、ヒトおよびラットの骨芽細胞様細胞に対するモノクロ-ナル抗体を作製し、それらが骨芽細胞の機能と性状の解析に応用できるか検討することを目的として実験を行い以下の結果を得た。 [方法]実験1.ヒト骨芽細胞様細胞に対するモノクロ-ナル抗体の作製とその性状の解析;ヒト骨肉腫細胞であるSaosー2を抗原に用いた。同細胞をBALB/cマウス腹腔内に3回注入し、同マウスの脾細胞をmouse myeloma cellとポリエチレングリコ-ルを用いて、融合させ、hybridomaを作製した。一次スクリ-ニングとしてSaosー2に反応するhybridomaを間接酵素抗体法で検出し、陽性hybridomaはヒト胎児凍結骨切片上で骨芽細胞に対する反応性を検討した。興味ある反応性を呈したものは、抗体と抗原の解析を行った。実験2.ラット骨芽細胞に対する抗体の作製;我々の樹立したラット骨芽細胞様細胞(ROBーC26)とラット骨体腫細胞(UMR106)を抗原に用い、実験1に準じた方法で抗体を作製した。 [結果と考察]実験1.4種の興味ある抗体(HOBー1、2、3、4)の作製に成功した。HOBー1とHOBー2はSaosー2とヒト骨芽細胞の細胞内の抗原を認識し、他にヒト肝細胞、皮膚線維芽細胞、脾細胞の一部とも反応した。HOBー1はWestern blottingで59KD、HOBー2は57KDの物質を認識した。HOBー3はSaosー2と骨芽細胞の細胞膜の抗原を認識し、Western blottingおよび免疫沈降法の結果、alkalin phosphatase(ALP)が抗原であることが判明した。HOBー3は骨・肝・腎型のALP isozymeに特異的で、小腸、胎盤のALPには反応しなかった。HOBー4は骨膜部および他臓器の細胞外マトリックスを認識し、現在抗原の解析を行っている。実験2.4種の興味ある抗体が得られた。ROB232/2はラット骨芽細胞、血管、皮下線維芽細胞と反応した。Up2/96Eは骨芽細胞、一部の骨芽細胞と線維芽細胞と反応した。UP2/101Cは軟骨と血管に反応し、UP2/73Cは筋細胞に反応し、両者とも骨芽細胞との反応は非常に弱かった。以上の様に我々の作製した抗体は骨芽細胞の分化過程と機能の解析に有用なものと考えられた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 山口朗,吉木周作: "骨芽細胞の形態と機能の多様性." 臨床科学. 25. 241-248 (1989)
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[Publications] 山口朗,吉木周作: "骨のコラゲナ-ゼ." 骨代謝誌. 7. 50-57 (1989)
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[Publications] 山口朗,池田通,吉木周作: "骨芽細胞の培養." 組織培養. 15. 155-159 (1989)
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[Publications] 吉木周作: "脱灰切片による硬組織内物質の組織形態的観察法に関する一連の研究." 昭和歯学会雑誌. 8. 247-255 (1988)
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[Publications] Yamaguchi,A.,Kahn,A.J.: "Four monoclonal antobodies that recognize common antigens in human osteosarcoma cells and in situ osteoblasts"
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[Publications] Yamaguchi,A.,Kahn,A.J.: "Production and characterization of monoclonal antibory(HOBー3)reacting with a bone alkaline phosphatase"