1988 Fiscal Year Annual Research Report
Collagenase産生口腔内細菌の遺伝学的研究
Project/Area Number |
63480407
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
山本 綾子 昭和大学, 歯学部, 助教授 (20085773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 延一 昭和大学, 歯学部, 教授 (10077175)
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Keywords | 最近コラゲナーゼ / 口腔内細菌 / 遺伝子 |
Research Abstract |
健康人の口腔からCollagenase(以下Caseと略す)産生菌をCollagen平板上でスクリーニングしたところ、Case活性を有する株は、すべてBacteroides gingivalis(以下B.gingivalisと略す)であった。活性程度はさまざまで、全くCase活性を保有しない株もあった。そこで、Case活性を有するB.gingivalisの新鮮分離株および教室保存株100株についてプラスミドの存在を調べた。Todd-Hewitt broth,Heart in fusion broth, Tnypticase soy brothおよびSchaedler brothにヘミンとメナジオン添加した培地に、それぞれを接種し、3日間嫌気培養してプラスミドの存在を各種の方法で調べたところ、いずれの株においてもプラスミドの存在はみられなかった。次にB.gingivalisでCase活性の強い1株よりDNAを抽出し、Case活性遺伝子をクローニングすることにした。ベクターとして大腸菌由来のプラスミドpBR322を使用した。pBR322は制限酵素のBamH Iでリニアーにした後アルカリフォスファターゼ処理した。B.gingivalisのDNAは制限酵素のSau3A Iでバーシャルに切断した後アガロールゲル電気泳動を行い4〜9Kbpおよび9〜23Kbpの範囲の長さのDNAを分取した。それぞれを先のpBR322に組み込み、大腸菌に入れた。テトラサイクリン添加培地に発育せずアンピシリンの入った培地に発育してきたコロニーをひろいCase活性の有無についてゼラチン培地で分解能を調べた。活性を有する疑いの有る株については、さらにCollagen平板上でCase活性を有するかどうかを調べているが、現在のところ確実に保有している株は得られていない。Case活性を増強する因子を添加する必要が有るものと思われ、それについても現在検討中である。またこの酵素が大腸菌では分泌しない恐れがあると思われるので活性測定方法や、使用するべクターを工夫する必要があると考えている。
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