1988 Fiscal Year Annual Research Report
クローン化軟骨培養細胞株を用いた軟骨細胞の増殖、分化及び石灰化機構の解析
Project/Area Number |
63480411
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
滝川 正春 大阪大学, 歯学部, 講師 (20112063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅田 彬 大阪大学, 歯学部, 講師 (50028734)
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Keywords | 樹立細胞株 / 軟骨細胞 / 骨芽細胞 / プロテオグリカン / コラーゲン / 軟骨肉腫 / 石灰化 / アルカリホスファターゼ |
Research Abstract |
1)マウス肋軟骨成長軟骨からのクローン化細胞株の樹立 マウス肋軟骨の2代目の培養細胞から分離した細胞株(mause growth cartilageの頭文字とコロニー番号からMGC/T1細胞と命名)を27代目にクローニングし、副甲状腺ホルモンに極めて鋭敏に応答するとともに軟骨細胞の分化機能を亢進させる因子を産生するクローン化培養細胞株(MGC/T1.18)、副甲状腺ホルモン応答性は前者にやや劣るものの軟骨細胞の分化を促進する因子と血管内皮細胞の増殖阻害因子を産生するクローン化培養細胞(MGC/T1.4)、又、副甲状腺ホルモン応答性はこれらに劣るもののアルカリホスファターゼ活性が極めて高く石灰化能を有するクローン化培養細胞株(MGC/T1.17)を樹立した。なお、これらの細胞のプロテオグリカン合成能は低く、産生するコラーゲンも主にI型コラーゲンであった。すなわち、軟骨細胞としての性質よりもむしろ骨芽細胞としての性質を持っていることが明らかになった。ちなみに、上記の特徴は培養開始時より継代70代を超えた現在も維持されている。 2)ヒトの軟骨肉腫からのクローン化軟骨培養細胞株の樹立 分化型ヒト軟骨肉腫より分離・継代培養した細胞を、23代目にクローニングし、プロテオグリカンを活発に合成し又、もう一つの重要なマーカーであるII型コラーゲン合成能を有するクローン化培養細胞株(human chandrosarconaの頭文字とクローン番号よりHCSー^2/_8細胞と命名)を樹立した。本細胞の増殖は遅く、その倍化時間は3.5日であったが、上記のプロテオグリカンやII型コラーゲンを含む基質を多量に産生し、軟骨様組織を形成する性質を持っていた。なお、本細胞は培養開始時から50代以上経た現在も上記の形質を保持しており、世界ではじめての軟骨細胞としての分化機能を有する細胞株として樹立できたものと思われる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 滝川正春: 蛋白質・核酸・酵素. 33. 1803-1807 (1988)
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[Publications] M.Takigawa: Calcif.Tissue Int.in press.
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[Publications] M.Takigawa: Cancer Res.投稿中.
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[Publications] M.Takigawa: "Parathyroid hormone-responsive clonal cell lines from mouse growth cartilage In New Action of Parathyroid Hormone.Edited by S.G.Massry" Plenum,New York, inpress (1989)