1989 Fiscal Year Annual Research Report
エナメル質形成に関与している細胞層中のカルシウム結合性タンパクについて
Project/Area Number |
63480417
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
清水 正春 鶴見大学, 歯学部, 教授 (40064357)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井尻 はがの 鶴見大学, 歯学部, 助手 (50097309)
深江 允 鶴見大学, 歯学部, 助教授 (40064373)
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Keywords | カルシウム結合性タンパク質 / エナメル質形成 / ブタ歯胚 |
Research Abstract |
基質形成期のエナメル質に隣接している、主にエナメル芽細胞、中間層細胞、及び、エナメル髄細胞の一部からなる組織から、カルシウム結合性タンパクの抽出、精製を行った。 ブタの下顎骨から歯冠形成途上の第2大臼歯歯胚をとりだし、形成期エナメル質表層の細胞層を剥離して集め、生理的食塩水中で細片とし、血液成分を洗浄、除去後、凍結保存した。凍結試料をプロテア-ゼ、ホスファタ-ゼの阻害剤を含む50mMリン酸緩衝液pH7.4中でホモジナイズして中性可溶性画分を抽出した。この抽出液にヒドロキシアパタイト(HA)を加えてカルシウム結合性タンパクを吸着させた後に、0.5Mリン酸緩衝液pH6.8で溶出させ、溶出液を限外瀘過膜を用いて濃縮し、10mMリン酸緩衝液pH6.8で緩衝化してからHAカラム(三井東圧)を装着したGTiグラジエントシステム(LKB社)を用いてクロマトグラフィ-を行い分画した。カルシウム結合性タンパクを含む画分は、さらにTSKーGel G4000カラムを用いてゲル瀘過を行ないSD半ゲル電泳動像で単一になるまで精製した。 SDSゲル電気泳動法の結果から推定された、精製カルシウム結合性タンパクの分子量は71K daltonであり、構成アミノ酸はAsx,Glx,Lysが比較的多く、Cys,Metが少なかった。今までに報告されているカルシウム結合性タンパクと比較、検討した結果から、このカルシウム結合性タンパクは、分子量、アミノ酸組成において、それらとは明らかに異なっているものであることが判明した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Tadafumi Kawamoto Masaharu Shimizu: "Changes in the Mode of Calcium and Phosophate Transport during Rat lncisor Ename Formation." Calcified Tissue lnternational.
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[Publications] Makoto Fukae,Takako Tanabe,Masaharu Shimizu: "Calciumーbinding proteins in the formative cells of the porcine enamel organ." 歯科基礎医学会雑誌.