1988 Fiscal Year Annual Research Report
Rabbit Ear Chamber 法による水酸化カルシウムの薬理効果の検討
Project/Area Number |
63480424
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
若林 始 昭和大学, 歯学部・第一保存学教室, 助教授 (90175688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西濱 亮介 昭和大学, 歯学部・第一保存学教室, 講師 (60198489)
小野寺 篤 昭和大学, 歯学部・第一保存学教室, 講師 (70194610)
立花 均 昭和大学, 歯学部・第一保存学教室, 講師 (20146872)
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Keywords | ラビットイアーチェンバー法 / 組織刺激 / 根管充填剤 / 水酸化カルシウム |
Research Abstract |
1.種々の水酸化カルシウム製剤、とくに根管充填剤の組織反応を検討する目的で新型ラビットイアーチェンバーを設計製作した。新型チェンバーの基本形は従来我が国で使用されている浅野型チェンバーと同一とし、中央の観察用ラウンドテーブル(直径7mm)の脇に裏側から薬剤を挿入し得るウェル(内径2mm)を設け、ウェルはテフロンピンで塞ぎ、ピンは瞬間接着剤で固定する。また、上部リングと本体のピラーと維持を良くするため、ピラー内側に5^○のアンダーカットを与えた。家兎の耳介に3本のピラーと観察テーブルに相当する穴を一挙にあけるためのパンチも製作した。アンダーカットの付与とパンチはチェンバーの装着に好結果をもたらした。約4週間後にテーブル上の微小循環網が完成してからテフロンピンを慎重に除去し、ピンの先端に薬剤を乗せて再びウェルに差し込み接着した。この操作がテーブル上の微小血管網に与える侵襲はわずかで済むことがわかった。微小循環網の観察は実体顕微鏡と透過型光学顕微鏡によって行った。 2.この方法によれば、薬剤の微小循環系に対する影響を挿入直後から経時的に生体観察でき、循環整理学的な研究も可能である。さらに、必要に応じて薬剤の接触している部分の組織を直視下でバイオプレシーし、形態学的研究にも移行できる。病理組織学的な研究方法では経時的な変化が追えないだけでなく、組織刺激の最初の数時間の反応も正確に捉えることが難しい。また、最初からチェンバーの中に薬剤を入れておいて再生してくる血管の反応を見る方法ではシュミレーションとして適当ではない。本法はこれらの点を解決しており、根管充填剤など種々の薬剤の組織反応を検討するのに有益な方法であると考える。今後は実験システムを整備し、各種根管充填剤の組織反応を検討していく予定である。
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