1990 Fiscal Year Annual Research Report
Rabbit Ear chamber法による水酸化カルシウムの薬理効果の検討
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63480424
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
若林 始 昭和大学, 歯学部, 助教授 (90175688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
船登 章嘉 昭和大学, 歯学部, 助手 (60219087)
立花 均 昭和大学, 歯学部, 講師 (20146872)
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Keywords | ラビットイヤ-チェンバ- / 水酸化カルシウム / 異所性石灰化 / 生体顕微鏡観察 / X線マイクロアナライザ- / 根管充填剤 |
Research Abstract |
ラビットイア-チェンバ-法によって水酸化カルシウムの異所性石灰化の過程を経時的に生体顕微鏡観察した結果、結合組織との接触部に接触直後から炭酸カルシウム系の沈殿物が急速に形成され、48時間以内にバリヤ-をつくることがわかった。このバリヤ-のSEM観察とXMA分析から、沈殿物は水酸化カルシウムとその強アルカリ性によって溶解された結合組織との中和生成物であることがわかった。しかも、この生成物は微小循環系との親和性が高く、生体組織液中のカルシウム・リンを吸着して組織側は次第に厚くなり、層板状を呈する。このような沈殿物は臨床上、直接覆髄した場合には歯髄の保護層並びに石灰化の起点を提供することになり、根管充填剤としては根尖孔の石灰化物による閉鎖に有効なものと思われる。したがって、組織と接触した場合にこのような異所性石灰化を呼び起こす中和生成物を形成することが水酸化カルシウムの薬理効果の特徴であると考えられる。水酸化カルシウムの否定的な側面といわれている強アルカリ性と壊死組織の形成はこの意味で不可欠なものといえる。 一般に水酸化カルシウム系の根管充填剤とされるシ-ラベックス、カルビタ-ル、覆髄剤としてのダイカルも同じような中和生成物を形成する。これらの薬剤はいずれも高いアルカリ性を有する。新開発の硬化型水酸化カルシウムはほぼ中性であり、微小循環系に対する刺激は初期からほとんど無い。したがって、こうした沈殿物を形成せず、異所性石灰化もおこらない。むしろ、比較的早期に組織によって分解吸収される。根管充填剤としてどちらの性質が優先すべきかは他の動物実験や臨床試験の報告をまたねばならないが、水酸化カルシウム系といわれるものの中にも2種類あることが分かった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] H.WAKABAYASHI,A.FUNATO K.KAMATAKI and K.MATSUMOTO: "Modification of rabbit ear chamber for inーvivo observation of the irritation potential of a root canal sealer" Microcirculation annual 1989. 25-26 (1989)
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[Publications] 若林 始,船登 章嘉,都築 延乏,堀川 真奈美,鎌滝 貴世子,五日月 秀行,松本 光吉: "根管充填剤の組織反応を検討するための改良型ラビットイヤ-チェンバ-について" 日本歯科保存学雑誌. 32. 1109-1114 (1989)
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[Publications] 若林 始,堀川 真奈美.船登 章嘉,中村 章生.松本 光吉.: "Rabbit Ear chamber法による根管充填剤の組織反応の検討その1.新開発根管充填剤" 日本歯科保存学雑誌. 33. 560-570 (1990)
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[Publications] 若林 始,堀川 真奈美.船登 章嘉,松本 光吉.: "Rabbit Ear Chamber法による水酸化カルシウムの異所性石灰化に関する研究" 日本歯科保存学雑誌.