1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63480425
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
佐藤 徹一郎 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (20085707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大須賀 豊 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (70167302)
山田 了 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (20103351)
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Keywords | 混合骨移植 / 骨誘導 / 新鮮自家骨 / 脱灰骨 / 超微形態 |
Research Abstract |
イヌの下顎M_1近心歯槽骨に炎症を伴った骨欠損を形成し、この歯槽骨欠損部に歯齦被弁手術とともに新鮮自家骨と脱灰骨との混合骨移植を行い、創傷治癒過程を病理組織学的に検索し以下の結論を得た。1.光学顕微鏡所見:新生骨形成は、移植後1週では骨欠損底部・側壁部より認められた。移植後2週では骨欠損部は母床骨よりの新生骨と新鮮自家骨および脱灰骨自身よりの新生骨がお互いに癒合し新生骨梁を形成していた。移植後4週では骨欠損部は新生骨により満たされていた。また、一部で再生白亜質層が認められた。移植後8週では歯根膜線維束は再生白亜質層内および歯槽骨内へ一部侵入していた。移植後16週および24週では歯槽骨頂部の位置は正常な歯槽骨頂部の位置とほぼ一致していた。また、再生白亜質層は歯槽骨頂部付近まで認められ、歯根膜線維束は機能的配列を示していた。2.電子顕微鏡所見:移植直後では新鮮自家骨辺縁に多数のコラーゲン線維が認められた。移植後1週では新鮮自家骨の一部に破骨細胞が付着していた。また、新鮮自家骨周辺には多数のコラーゲン線維や微細顆粒を認める骨芽細胞が観察された。一方、脱灰骨では大部分で大食細胞様細胞が付着しており、一部で骨芽細胞が観察された。移植後2週では両移植骨材表面に骨芽細胞による新生骨添加が認められたが、脱灰骨の新生骨添加量はわずかであった。また、両移植骨材の周囲には多数のコラーゲン線維や微細顆粒が認められた。移植後4週では新鮮自家骨の周囲には幅広く新生骨が添加していたが、周囲の骨芽細胞の数はすでに減少していた。一方、脱灰骨周囲には大型の発達した骨芽細胞が密に配列し、旺盛な新生骨添加が観察された。移植後8週では歯槽骨内へ一部コラーゲン線維が侵入し、移植後16週では再生白亜質層内へのコラーゲン線維束の侵入も認められた。移植後24週では歯槽骨内および再生白亜質層内への顕著なコラーゲン線維束の侵入が認められた。
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