1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63480438
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
権田 悦通 大阪歯科大学, 歯学部, 助教授 (70066992)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 裕一 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (10181083)
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Keywords | 顎関節 / ムコ多糖 / 加齢 |
Research Abstract |
顎関節のムコ多糖の動態を検索することを目的とした研究であるが、63年度は、正常なSDラットを用い、その加齢変化を観察するために5、15、25週齢の下顎頭をメタクロマジー反応と酵素消去法を応用した組織化学で観察し、組織学的にも検討を加え、以下の知見を得た。 1.組織学的所見:下顎頭は軟骨で覆われ、軟骨は4層に区別できる。最外層の第1層は、膠原線維の線維膜で、第2層は偏平な軟骨細胞の層で、下顎頭の曲面と並行で密に規則的な配列をしている。第3層は軟骨小腔が多く存在し、上層では小さく、下層では大きい。また、第4層は軟骨の破壊、吸収が起こり化骨している。そして第4層から骨小柱と骨髄腔から成る海綿骨に移行している。また、週齢が増すにつれて、下顎頭の軟骨層が占める割合が減少する。 2.組織化学的所見:5週齢では軟骨全体に非常に強いメタクロマジー反応がみられ、第3層下層と第4層では特に強い反応がみられた。また、骨小柱においても部分的に強い反応がみられた。15週齢では、第1、2層、第3層上層および骨小柱に中等度の反応が、第3層下層と第4層に強い反応がみられ、反応は5週齢より全体に減弱した。25週齢では、メタクロマジー反応がさらに減弱し、第1層から第3層上層に弱い反応が、第3層下層と第4層にやや強い反応が、さらに骨小柱に中等度の反応がみられた。また酵素消化の結果、下顎頭には、ヒアルロン酸とコンドロイチン硫酸A/Cが観察され、加齢とともに、ヒアルロン酸は増加する傾向に、コンドロイチン硫酸A/Cは減少する傾向を示す所見が得られた。
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