1990 Fiscal Year Annual Research Report
顎関節円板および関節液の生化学的分析による診断法に確立
Project/Area Number |
63480440
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
木野 孔司 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (80143585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉 祐幸 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (60168276)
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Keywords | 顎関節円板 / 関節液 / プロテオグリカン / コンドロイチン硫酸 / デルマタン硫酸 / ヒアルロン酸 / 糖鎖 / 顎関節 |
Research Abstract |
本年度は顎関節円板の細胞外基質を構成するコラ-ゲン以外のプロテオグリカン等の物質とコラ-ゲンとの関連、円板の性状変化に対するプロテオグリカンの役割、および関節円板をとりまく関節液の性状と変化を検索するため、まず正常ブタ顎関節円板、剖検より得られたヒト顎関節円板、およびヒト病的関節液のプロテオグリカンに関し分析を行なった。4M塩酸グアニジンにより抽出、イオン交換クロマトにより得られたプロテオグリカン含有画分を以下の分析に用いた。プロテオグリカン定性法として、アルカリ分解、プロナ-ゼE消化により得られたプロテオグリカン糖鎖のアセテ-ト膜二次元電気泳動法(SEPARAXーS)を行なった。一次元にはピリジン-ギ酸緩衡液、二次元には酢酸バリウム緩衡液を用い、アルシアンブル-染色にて確認した。また、得られた試料を一次元SDS電気泳動(Laemmliの方法、20〜7.5%)にも用いた。さらに抗プロテオグリカンモノクロ-ナル抗体を用い免疫学的に定性を行なった。 一次元SDS電気泳動的にみて、ブタの関節円板のプロテオグリカンでは分子量94K以上に2つの、67K〜94Kに広範囲の2つのアルシアンブル-染色性の分布を認めた。プロナ-ゼE消化により得られた糖鎖をアセテ-ト膜電気泳動にかけた結果、ブタ関節円板ではデルマタン硫酸を主成分とし、他にコンドロイチン4,6硫酸を、僅かにヒアルロン酸を認めたのに対し、ヒト顎関節円板ではコンドロイチン4、6硫酸とデルマタン硫酸が同程度認められ、同様に僅かのヒアルロン酸が認められた。またヒト病的関節液の一次元SDS電気泳動では分子量67K付近にアルシアンブル-染色体のバンドが認められ、プロテオグリカンの存在が示唆された。 さらにコアタンパク検索、円板の免疫組織学的検索が必要である。
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